MENU
ぬくもりは、ハンドメイドや手作り実用書の出版社「ブティック社」のレシピを厳選して無料で公開しています。折り紙、工作、刺繍、パッチワーク、家庭菜園、園芸、DIYなど多ジャンルで展開中です。
「ピーマン類」のタネ採りのやり方(家庭菜園)

「ピーマン類」のタネ採りのやり方(家庭菜園)

おいしい野菜を収穫しながら、良質なタネも採って残したい!そんなちょっと欲張りな家庭菜園を成功させるためには、野菜ごとにコツがあります。ご紹介するピーマン類は熱帯植物で湿気が苦手!風通しと水はけをよくしてタネも野菜もしっかり採りましょう。

perm_media 《画像ギャラリー》「ピーマン類」のタネ採りのやり方(家庭菜園)の画像をチェック! navigate_next

ピーマンのタネを採るならこの品種がおすすめ!

●カリフォルニアワンダー
代表的な固定種の大型ピーマン。完熟するとまるで赤いパプリカのよう。

●バナナピーマン
育てやすい中型種。クリーム色、オレンジ、赤と果皮の色の変化が楽しい。

●伏見甘長(ふしみあまなが)とうがらし
京都の伝統野菜の甘味種シシトウで多収穫。

●紫とうがらし
奈良伝統の小型種。紫色の果皮が特徴的で育てやすい。

【改正種苗法について】
農林水産省が「登録品種」として認めた農作物のタネや苗は、開発者の知的財産権の保護のため、その独占的販売権が25年(樹木の場合は30年)認められます。つまり、登録品種の種苗を増やして販売、譲渡することは原則禁止。ただし、家庭菜園での自家消費を目的とした採種は禁じられていません。

ピーマンのタネ採りのポイント

湿気が苦手なピーマン。タネ採りのカギはカビ対策!

◆ポイント1:水はけと風通しのよいところで育てる

熱帯性植物のピーマンは、過湿に弱く、水はけと風通しのよい環境を好みます。
タネを採る場合は長期の栽培に耐えられるよう、とくにピーマン好みの環境を用意し、さらに“垂直自然仕立て”によって樹勢を保たせます。
小型のシシトウやトウガラシから、大型のパプリカまで、辛いものも甘いものもすべてピーマンの仲間で、栽培方法も同じ。ただし、大型のものほど肥沃地を好み、完熟するまでより時間がかかるため、栽培難易度も高くなります。

◆ポイント2:他家受粉率40~50%、ナス科でダントツに交雑する

ピーマンの花は、ほかの個体と交雑しやすい開放的な構造になっています。
他家受粉率は40~50%とされ、他家受粉率10%前後のトマトなど、ほかのナス科と比べて交雑してしまう確率がとても高い野菜です。
トウガラシ、シシトウ、パプリカなど違う種類のピーマンが同じ畑にあれば、ほぼ交雑すると思ってよいでしょう。
交雑を防ぐためには最低50m離すか、プランターで隔離して育てます。

◆ポイント3:タネが完成するまで開花から60日かかる!

通常、ピーマンは開花から20日ほどで収穫できますが、緑色のピーマンは未熟果。
つまり、スーパーで売っている状態のピーマンのタネには、発芽能力がありません。
ピーマンの果実が完熟するのは、開花からなんと60日後!完熟すると果実が赤色やオレンジ色になります。
つまり、タネ採りをする場合は、果実が完熟するまでの期間、病虫害のない健康な状態を維持する必要があります。

◆ポイント4:ナス科で唯一、空洞の果実をもつ理由

ピーマンの果実は、ナス科で唯一空洞です。その理由は、もっとも湿気を嫌う野菜だからです。
雨が多い天候や水はけが悪いところでは、果実が熟す前に傷んでカビが生えることもよくあります。
つまり、ピーマンのタネ採りの最大のコツは、果実を完熟させるまで樹勢を維持しつつ、カビを発生させないこと。
タネ採り後は、カビを生やさないよう徹底的に乾燥させる対策をします。

ピーマンのタネ採りのツボ

熱帯性植物のピーマン類は湿気が苦手なうえ、根張りが弱く、一定の水分が欲しい野菜。
通常は開花から20日ほどで収穫できますが、緑色の実は未熟果。果実が赤やオレンジ色に完熟し、タネが成熟するまでには、開花から約2か月もかかります。
その期間、過湿と乾燥を繰り返すと株が弱って病虫害が発生したり、採種果が傷んでタネが採れなくなってしまいます。
そこで枝を垂直に縛って誘引し、徐々に開放する「垂直自然仕立て」(下参照)にすると、植物ホルモンが活性化して育ちがよくなり、病虫害にも強くなります。
8月上旬、病虫害のない元気な株の太い枝についた実を採種果に決め、開花から20日はほかの実や花をすべて落として太い1枝に1果で育てます。

よいピーマンのタネが採れる“垂直自然仕立て”

初期から中期は枝を垂直に縛ることで、植物ホルモンの働きが高まり、病虫害に強くなる。
中期以降は縛りを緩め、最後は解放して自然の樹形に近づけ、実の充実を促す。
※道法正徳さんの野菜の垂直仕立て栽培をアレンジした方法です。

★【タネ採り格言】
太い枝をたどって採種果をつけるべし


ピーマンはY字に2本ずつ分枝していく

ピーマンの枝を見ると、Y字に2本ずつ分枝している。
一方は細い枝、もう一方は太い枝となっているので、下から太い枝をたどった場所につく実を採種果にする。

・8月上旬に採種果を選ぶ

開花から20日後、採種果が大きくなったら(緑色の未完熟でOK)、摘花を止めて新しい実をつけさせる。
2個目の採種果をつけてもいい。ただし、大型のパプリカは完熟するまで“1株1果”にする。

・採種果をつけたら、追肥禁止!

米ぬかなど窒素系の追肥をすると実が腐りやすくなる。

採種果は大型のパプリカなら1株2~3個、中型ピーマンなら3~5個、小型ピーマンなら10個程度まで採れる。
小型は樹勢に応じて数個ずつ着果させられる。

1
この記事のライター
関連記事
ネギ類をおいしく育てるための、タネのまき方をご紹介!今回は、長ネギ・葉ネギ・ニラ・タマネギについて、栽培カレンダーやタネまきのポイント、発芽後のポイントなどを分かりやすく解説しています。ぜひネギ類を育てる際の参考してください!
481views 園芸レシピ
更新: 2025-02-06 12:00:00
“のら仕事”とは、“野を良く”し、多様な生物とともに作物がよく育つようにする仕事です。今回のテーマは「越冬野菜のメンテナンス」。冬の葉菜類ほか、ニンニクやタマネギ、エンドウ、イチゴなど厳寒期を春まで元気に乗り切らせるコツをお伝えします!
404views 園芸レシピ
更新: 2025-01-21 12:00:00
編集部おすすめの品種「アップルスイカ」の栽培方法をご紹介いたします。手のひらサイズの超小玉スイカが空中にずらりと並びます。今年の夏の収穫に向けて是非、栽培してみてください。
522views 園芸レシピ
更新: 2025-01-13 12:00:00
春に芽生えたら掘り上げてポット育苗!今すぐ試したくなる家庭菜園のアイデアをご紹介します!ここでは完熟トマトを使ったアイデアをピックアップ。イタリアントマトはうまみがギュッと詰まってしっかりした皮が特徴的。ぜひチャレンジしてみてください!
766views 園芸レシピ
更新: 2025-01-31 22:48:09
今回は、キャベツ、カリフラワー、葉物野菜の連続栽培のアイデアをご紹介します。収穫時の工夫次第でそこから次の野菜が育つので、長期間楽しめます。立派なものに育てば喜びもひとしお。ぜひチャレンジしてみてください。
538views 園芸レシピ
更新: 2024-12-11 12:00:00
最新記事
桃の節句をお祝いするねずみのひな人形。大きな耳とつぶらな瞳が愛らしく、ずっと見つめていたくなります。玄関やリビングに飾ってみませんか。
更新: 2025-02-28 12:00:00
古くなったキルトやクッションカバーなどをカットして味わいのあるぬいぐるみを作ってみませんか?こちらのウサギは横から見た姿を前と後ろのパーツ2枚で仕立てました。耳は間を縫ってから綿を詰め、耳と足の輪郭を刺しゅうして立体感を出しています。
更新: 2025-02-27 12:00:00
足元を明るく照らしてくれる便利で安心なフットライト、和紙を通してこぼれる光は目にも優しいデザインです。寝静まった家の廊下や階段を小さな折り鶴が見守る素敵な作品です。
127views
更新: 2025-02-26 12:55:00
折り紙作家・いしばしなおこ先生が贈るニッポン各地の魅力がつまった一冊の中から、東京の観光名所、浅草の「雷門」の折り方をご紹介します!とってもリアルなできあがり!東京の観光巡りをしているような気持ちになれますよ♪
更新: 2025-02-25 12:00:00
赤い紙の裏を効果的に使った作品です。ポイントは折っている途中で紙をひっくり返します。会食や宴席の席札として最適でしょう!
更新: 2025-02-22 12:00:00
boutique-sha_banner
hmc_banner
btq_onlineshop_banner

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt

楽しい!手芸の本がいっぱい!

get_app
ダウンロードする
キャンセル