
1度つくれば無肥料で4~5年野菜が育つ畝
写真は、岐阜県の菜園家、楠田久美子さんの“落ち葉床”づくりの様子です。
落ち葉床は溝を掘って落ち葉を埋めて畝をつくる、伝統的な技術です。
晩秋から落ち葉や枯れ草を大量に集めて、冬に“落ち葉床”をつくってみましょう。深い位置に埋められた落ち葉はゆっくり分解され、4~5年は無肥料で野菜を育てられます。
落ち葉には豊富なミネラルが含まれていますから、多様な微生物が繁殖し、野菜の健全な生育が促され、おいしく育ちます。
落ち葉づくりでは、木の枝が混入しないように気をつけます。枝や樹皮(バーク)は分解に時間がかかり、野菜の食味を落とします。畑を“野菜をつくる世界”にしたいので、草や野菜残渣をマルチ資材に利用し、木を育てる山や森の微生物ではなく、野菜を育てる微生物を増やしましょう。
カラカラに乾いた落ち葉を畝の下に埋める
落ち葉床づくりでは、乾いた落ち葉や枯れ草を使います。湿った落ち葉を使うと、板のようにかたく締まって通気が悪くなり、ねらい通りの効果が得られません。朽ち始めた落ち葉も使いません。

1. 大量の落ち葉を集める
晩秋から落ち葉を大量に集め、大きなビニール袋やメッシュの回収袋などに詰め、雨が当たらない場所にストックしておきます。

サクラ、クヌギ、ナラなどの広葉樹が向き、種類が多いほどいい落ち葉床になります。

マツの葉も利用します。なお、公園や街路樹などで落ち葉を集める際は、事前に管理者に声を掛けておきましょう。

2. 深さ40cmの溝を掘る
畝を立てる場所に深さ40cm程度、幅約40~50cmの溝を掘ります。溝掘りと同じ要領で、土の塊をすくって、上層の土と下層の土を振り分けます。

3. 耕盤層があれば崩す
掘っていると耕盤層(かたく締まった層)が現れることがあります。ショベルで塊ごとすくって溝を掘り進めます。耕盤層を崩すと、地上と地下との水と空気の通りが改善されます。

4. 落ち葉、枯れ草を投入
ススキやセイタカアワダチソウなど、かたい枯れ草があれば溝の底に敷いておくとよく、その上に落ち葉をドッサリ入れます。必ず、乾いた落ち葉を使うこと。