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プランター菜園「栽培の基本テクニック」

プランター菜園「栽培の基本テクニック」

プランター菜園は、畑などの広い場所がなくても楽しめる家庭菜園です。ベランダ、屋上、室内などのスペースがあれば、だれでも野菜を育てることができます。ここでは必ず知っておきたい基本情報を丁寧にご紹介しています。

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プランターと土の準備

プランター菜園を始めるには、まず土の準備が必要です。種まきの際も植えつけの際も必要になる基本テクニックですので、早めにマスターしましょう。

1 鉢底網を敷く

土がプランターの底穴から流れ出るのを防ぐため、鉢底網を敷きます。害虫の侵入を防ぐ役割もあります。

2 鉢底石を敷く

排水性を高めるために、鉢底石を敷きます。プランターの底まで土を入れると、不要な水が溜まりやすくなってしまいます。

3 土を入れる

土入れでプランターに土を入れていきます。土を入れるのは縁から2cmほど下までにして、ウォータースペースを確保します。

4 表面をならす

土ならしで土の表面を平らにならします。平らにできるのであれば定規や板など、何を使っても大丈夫です。

5 準備完了

土の表面が平らになったら、完成です。種まきでも、植えつけでも、この準備が必要になります。

ウォータースペースって?
土をプランターの縁いっぱいに入れてしまうと、水やりの際に土が流れ出てしまいます。これを防ぐための余裕をウォータースペースといいます。

▲ウォータースペース【OK】

▲ウォータースペース【NG】

種まきの基本テクニック

細かい種に適した「ばらまき」、間引きの際に便利な「すじまき」、大きな種に適した「点まき」など、種まきにもいくつかの種類があります。

*ばらまき

1 土全体に、まんべんなく種をまきます。

2 親指と人差し指をひねるようにしてばらまきます。

3 プランター全体にまんべんなく土をかけます。

4 土を軽くおさえ、種と土をよく密着させます。

*すじまき

1 土に一定の深さのまき溝を掘ります。

2 まき溝に1〜2㎝間隔で種をまきます。

3 溝の周りの土を種の上にかぶせます。

4 土を軽くおさえ、種と土をよく密着させます。

*点まき

1 土に人差し指の第一関節ほどの穴をあけます。

2 1つの穴につき1〜3粒ずつ種を入れていきます。

3 穴の周りの土を種の上にかぶせます。

4 土を軽くおさえ、種と土をよく密着させます。

好光性種子と嫌光性種子
種には、発芽する時に光を必要とする「好光性種子」と、必要としない「嫌光性種子」の2種類があります。「好光性種子」であれば種が隠れる程度に薄く覆土し、「嫌光性種子」であれば種の大きさの2~3倍の厚さに覆土します。

▲好光性種子

▲嫌光性種子

植えつけの基本テクニック

実もの野菜やハーブなど、1株からたくさん収穫できる野菜は、植えつけから始めるのがおすすめです。収穫までの時間を大幅に短縮することができます。

1 中央部に穴をあけます。穴の深さは、子葉が埋まらない程度にします。

2 根鉢を崩さないように気をつけながら、そっと苗を取り出します。

3 優しくポットを外すと、根鉢の形そのままで取り出すことができます。

4 全体を崩さないように気をつけながら、根鉢の肩を少し落とします。

5 苗が傾かないようにプランターの穴に植え、周りの土をかぶせます。

6 植えつけ完成です。この後、底から流れ出るまでたっぷりと水を与えます。

植えつけたら水やりをたっぷりと
植えつけ直後はプランターの底からあふれるまでたっぷりと水を与えます。これは根の生長を促し、苗の定着を早めるためです。種まき直後も同様にたっぷり水を与えます。発芽には水分が必須だからです。

▲植えつけ後

▲種まき後

植えつけのコツ

植えつけは種まきに比べて発芽・間引きなどの手間を省ける反面、苗をプランターの土に定着させるためのちょっとしたコツが必要です。

* 良い植えつけ

①子葉が地面より上に出ていること。
植え穴が深すぎると子葉まで地面に埋まってしまいます。
②根鉢の肩を落としてあること。
根鉢をなで肩にしておくと、新しい根が生えやすくなります。
③根鉢全体が土に埋まっていること。
植え穴が浅いと根鉢が地面に顔を出してしまいます。

*悪い植えつけ

根鉢が崩れていたり、子葉が地面に埋まっていたりするのは悪い例です。その後の生長を妨げる原因になります。

株間が狭いのもNGです。ひとつのプランターに2株以上植える時は、葉が触れ合わない程度の株間をあけましょう。

株間のあけ方
2つ以上の株を植える際には株間に注意しましょう。植えつけ時には葉が触れ合っていなくても、生長後にぶつかってしまうような間隔ではいけません。比較的小さな葉もの野菜やハーブは20㎝程度、実もの野菜は30㎝以上と覚えましょう。

▲20cm程度

▲30cm以上

手入れの基本テクニック

どんな野菜を育てる場合にも、その時に応じて必要な手入れがあります。基本テクニックを身につけて、よりおいしい収穫物を作りましょう。

*水やり

プランター菜園において、日々の水やりは必須です。地植えと違って土の量が少なく、表面が乾きやすいからです。状況に応じて最適な水やりの方法を覚えましょう。

▲OK

種まきの直後はプランターの底から水が出るまで水やりをします。発芽するまでに種が乾くと発芽しませんので、毎日たっぷりと水をあげましょう。

▲NG

ジョウロのはす口を下向きにつけないように注意しましょう。水流が強すぎると、水が土をえぐり、種を押し流してしまうからです。

▲育成中

野菜の種類により頻度は変わりますが、育成中も水やりが必須です。湿気を嫌うもの以外は基本的に毎日、土が湿るように水やりを行います。

*追肥(固形肥料)

液肥やアンプルでの追肥は手軽ですが、固形肥料で追肥を行う場合は少しコツが必要になります。

1 株と株の間に移植ごてで溝を掘ります。

2 溝に沿って固形肥料をまいていきます。

3 株元に近すぎない位置にまきましょう。

4 溝の上に土をかぶせます。土と混ざることで固形肥料の効果が発揮されます。

*間引き

種まきの際に多めに種をまき、生長してきたら元気な株を残して間引くのがプランター菜園の基本です。生長に合わせた間引きが必要になります。

■発芽直後
1 発芽がそろったら1回目の間引きのタイミングです。生長が遅い株や、変形している株を取り除きます。

2 発芽直後の間引きは葉が小さいため、ハサミよりもピンセットの方が便利です。

3 子葉が触れ合うか触れ合わない程度の株間になるよう間引きます。

■本葉
1 本葉が2〜4枚程度になったら2回目の間引きのタイミングです。弱っている株を取り除きます。

2 ハサミで株の根元から切り取ります。この際に切り取った葉は間引き菜として食べることができます

3 葉が重ならない程度の株間になるよう間引きます。この後は生長に合わせて、混み合うようであれば間引きを行います

■苗
1 ひとつのポットに複数の株が入っていた時は、植えつけから始めた場合も間引きを行います。

2 生長の遅い株をハサミで根元から切り取ります。切り取った葉は間引き菜として食べることができます。

3 1か所にひとつの株が植わっている状態にします。これを一本立ちといいます。

*支柱立て

■基本形
1 支柱1本を使った、もっとも一般的な支柱の立て方です。

2 プランターの底までさした支柱にひもで誘引します。

3 この後の生長することを考慮して、やや緩めに結びます。実をつける野菜に適しています。

■交差型
1 複数の支柱を使って、格子状に支柱を立てます。

2 プランターにさした支柱に対して、横に支柱を渡して安定性を高めます。支柱の交わる所を結びます。

3 太いつるが伸びる野菜に適しています。

■ネット
1 ネットを張るための支柱を立てます。

2 支柱の間にネットを渡し、ひもなどで固定します。

3 つるをネットにひっかけます。細いつるが伸びる野菜に適しています。

*花芽取り・初果取り

花芽取りは葉もの野菜の花芽がついてしまった時に取り除くこと、初果取りは実もの野菜の最初にできた実を取り除くことです。どちらも株を疲れさせない効果があります。

■花芽取り
花芽がつくと、その後の種作りへ栄養がいってしまい、株の生長が遅くなってしまいます。葉もの野菜を収穫したい場合には早めに取り除きましょう。

■初果取り
実もの野菜は次々に実がなるため、そのままにしておくと株が弱ってしまいます。そのため、最初についた実は小さいうちに取り除きます。

*まし土・土よせ

まし土はプランターに新しい土を足すこと、土よせは株元に土をよせることです。どちらも株元を安定させ、倒れにくくする効果があります。

■まし土
根が伸びすぎて露出していたり、水やりで土が沈んでしまったりした場合に土を足します。とくに根もの野菜を大きく育てるためには必要不可欠な作業です

■土よせ
野菜が風で倒れたり、根が地上に露出したりするのを防ぐために株元へ土を集めます。根もの野菜は光を浴びると変色するため、とくに重要な作業です。

*芽かき

芽かきとは、複数出た芽を抜き取って減らすことです。イモ類を育てる場合に必要な作業で、これをしないと大きなイモが育たなくなります。

1 イモ類はひとつの種イモから複数の芽が出ます。

2 生育の悪い芽を掴み、反対の手の指の間に抜きたい芽の元をはさみながら、地面をおさえます。

3 そのまま芽を引っ張ると、ほかの芽を残したまま引き抜くことができます。

4 芽かきをしないと、小さなイモになってしまいます。

*摘芯・わき芽取り

摘心は、上へ伸びる主枝の先端を切り取ること、わき芽取りはわきに伸びる側枝を切り取ることです。摘芯後は枝が横へ広がり、わき芽取り後は枝が縦に伸びます。

■摘芯
わき芽のすぐ上をハサミで切り取ります。これにより上に伸びるための栄養が横のわき芽へ送られます。わき芽が伸びることで、枝が横に広がり、葉もの野菜の収穫量が増えます。

■わき芽取り
わき芽が小さいうちに手で摘み取ります。これによりわき芽に送るはずの栄養が主枝に集中します。主枝に栄養がいくことで、実もの野菜の収穫量が増えます。

*株分け

株分けとは、放置して古く大きくなった株を若返らせたい時や、同じ種類の野菜を増やしたい時に、ひとつの株を複数に分割することです。

1 株分けは、しっかり根づいている株で行います。

2 根を切らないように、手でそっと裂くようにして分けます。

3 分けた株がくっつかないように、なるべく離して植え直します。

4 土を元に戻したら株分け終了です。

*人工授粉

雌花と雄花が分かれている野菜は自然受粉を待つよりも、人間の手で受粉させた方が、確実に実を収穫することができます。

雄花から雄しべを切り取り、雌花の中にさしこみます。晴れた早朝に行うと成功率が高くなります。

*マルチング

マルチングとは株元をワラやビニールなどで覆うことです。乾燥や害虫、雑草から野菜を守るために行います。

株元を傷つけないようにしながらワラを敷きます。マルチング後は水やりや追肥がしにくくなるため、水と栄養をたっぷり与えてから行いましょう。

収穫の基本テクニック

野菜作りにおいてもっとも楽しみな作業、それが収穫です。しかし、タイミングや方法を間違えると、おいしい野菜を収穫することができません。それぞれの基本的な収穫方法を知りましょう。

*葉もの

1 育成中に少しずつ間引きながら収穫します。この時に収穫した間引き菜も食べられるのがうれしいポイントです。

2 大きくなった葉からハサミで切り取ります。育成期間の最後には株ごと引き抜いてしまっても良いでしょう。

*実もの

1 ひとつの株に複数の実がつくので、しっかり色づき、大きくなったものは早めに収穫します。放置すると株が疲れてしまうので注意が必要です。

2 手で持ってみて、中身がしっかり詰まっているのを確認したら、ヘタの上をハサミで切り取ります。

*根もの

1 収穫物が地中に埋まっているため、収穫適期がわかりづらいですが、地上に出ている部分で判断しましょう。

2 株元を手で持ち、引き抜きます。手で抜けない場合はプランターをひっくり返して、土ごと取り出しても良いでしょう。

*ハーブ

1 しっかり生長すれば、摘芯などの剪定をしながら随時収穫することができます。こまめに手入れをすれば長い期間収穫を楽しめます。

2 混み合ってきた部分を中心に、上の方の若い葉をハサミで切り取ります。下の方の葉は固くなっているので、食用には適しません。

病害虫対策の基本テクニック

病害虫が発生すると、あっという間に広がり、ほかの作物が被害を受けてしまうこともあります。こまめに野菜の状態をチェックし、できるだけ発生させないようにしましょう。

*よく見る病気

野菜にはよく発生する病気があります。病気になってしまった葉や株は被害が広がらないよう、早めに取り除くしかありません

■モザイク病
発生原因:ウイルス、症状:葉にモザイク状の斑点がつく、発生する野菜:ほとんど全て

■うどんこ病
発生原因:カビ、症状:葉に白い斑点がつく、発生する野菜:ほとんど全て、予防策:葉が蒸れないように摘葉する・肥料をひかえめにする

■べと病
発生原因:カビ、症状:葉に黄白色の斑点がつく、発生する野菜:ウリ科・アブラナ科、予防策:多湿を避ける・枯葉をこまめに取り除く

*よく見る害虫

害虫は葉を食い荒らしたり、ウイルスを媒介したりしてしまいます。見つけ次第駆除しましょう。

■アブラムシ
発生原因:肥料過多、被害:ウイルスを媒介する、発生する野菜:ほとんど全て、予防策:肥料をひかえめにする・防虫ネットを張る

■ヨトウムシ
発生原因:天敵(クモなど)の不在、被害:葉を食い尽くされる、発生する野菜:ほとんど全て、予防策:天敵まで殺す強い薬剤を使わない・防虫ネットを張る

■ハモグリバエ
発生原因:肥料過多、被害:葉が食害され、生育不良になる、発生する野菜:ほとんど全て、予防策:乾燥を避ける・防虫ネットを張る

* 病害虫の予防と対策

病害虫の発生を予防するためには、丈夫な株に育つ環境を作ることが必要です。また、被害を受けたら早急な対処が望まれます。

■剪定
剪定とは、余計な枝を切り落とすことです。混み合っている所を切り落とし、風通しを良くしたり、残った部分に栄養を行き渡らせたりします。病害虫の被害を予防することにつながります。

■摘葉
摘葉とは、葉を取り除くことです。混み合っている葉を摘み取り、風通しを良くしたり、下の若葉に光が届くようにしたりします。病害虫の被害を受けた際の、対症療法として有効です。

■切り戻し
1 切り戻しとは、枝を短く切りつめることです。病害虫の対策にもなります。

2 若いわき芽を残し、虫食いのある上部をハサミで切り取ります。

3 切り戻した後に追肥を施せば、やがて元気な若葉が出てきます。

*そのほかの被害対策

野菜が受ける被害は、虫食いやウイルスによる病気だけではありません。鳥に狙われたり、雨による被害を受けたりすることもあります。

■防鳥対策
種まき直後はネットを張るなどして、虫や鳥から守りましょう。とくに大きな種は、鳥に掘り返されてしまうことがあります。本葉が生えるまでは対策をします。

■塩害対策
台風の雨には海水が多く含まれていますので、塩害対策が必要です。塩分を多く含んだ水は真水で洗い流します。台風が通り過ぎたあとは必ずたっぷりと水やりをしましょう。

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