
小さめのサツマイモを育苗ポットごと植えつけ!
ツルを苗として植えつけるのが一般的なサツマイモ栽培。サツマイモをまるごと畑に植えて苗を自分で採るやり方もあるが、あきこちゃんさんの場合は苗をつくるわけではない。種イモとして苗の代わりに畑に直接植えつけるやり方だ。
前年に採れたサツマイモの中から小さいものを選んで育苗ポットに埋めて、少し頭を出した状態で畝に立てて植えつける。株間は1mほどとり、のびのびと育てた。
「前年と同じ場所に肥料なしで植えつけました。あとは放置です。畑には1週間に1度くらいしか行けないのですが、見る見るうちにツルを茂らせてビックリしました。お盆に1度ツル返しをしただけですが、収穫時にはこれまでにないほどの大きなイモがゴロゴロついていました」
サツマイモをまるごと土に埋めると、種イモばかりが肥大し、新しいイモが多く採れないことがあるが、このやり方は種イモを育苗ポットの中に埋めて植えつけるので、種イモ自体の肥大が抑制される。その分、伸びたツルの各節から出る不定根のうちのいくつかがサツマイモになるというわけだ。
ポイント
イモを浅めに植えてツルを繁茂させる
食べるには小さすぎる、本来なら捨ててしまうような小さなイモの救済策となるワザだ。
まるごとのサツマイモをそのまま土に植えるだけだとツルや葉ばかり茂って新しいイモが増えない可能性もあるが、育苗ポットに入れて埋めておくことで、種イモが大きくなるのを制限できる。浅めにイモを埋めることでイモから芽もたくさん出てツルが繁茂する。
ツルが伸び始めたら株元の周囲に土をかぶせておくとよく、地上部を茂らせて根量を確保することで、大きめのイモがゴロゴロつく。


図解
お盆の頃にツル返しをする
畝の外に広がるツルを持ち上げて、畝の上にひっくり返す。ツルの途中から生えた不定根を断ち切ることで、根元につくイモに養分が集中し、イモの肥大が促される。
小さめのイモを利用する
前年に収穫したサツマイモの中から手のひらサイズの小さめのイモを食べずに保存しておき、苗を植える代わりに種イモとして利用する。
頭を少し出して5月中旬に埋める
頭を少し出して育苗ポットに埋めたサツマイモを、5月中旬に畑に定植する。育苗ポットは立てて土に埋め、サツマイモの頭は地上に出るようにして埋める。
大きなイモが7~8個採れる
11月下旬に掘り上げたところ、大きなイモがゴロゴロついていて、株から7~8個収穫できた。育苗ポットの種イモは収穫時にはしなびていて食べられない。
育苗ポット
育苗でよく使われる直径9cmの3号ポットを使用。培養土を入れて手のひらサイズのサツマイモの頭の部分を少し出して埋める。

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