折った茎を水に浸けて赤色が出たらビーツ!
レタスミックスの中にはスイスチャードなど葉がビーツに似ているものも入っている。茎を折って水に浸けると赤い色素が出てくるのがビーツ。
9月中旬に「ベビーリーフ」のタネ(中原採種場)をバラまきした。ビート(ビーツ)のタネが入っているのは「菜っぱミックス」ではなく、「レタスミックス」の方。
本葉3~4枚に生長した10月上旬にビーツを選び出して、別の畝にまとめて定植。
年内に胚軸が大きくならなかったので越冬させて翌2月に収穫。
<下薗千登世さん(長野県)>
寒冷地では春まきして秋冬採りする
「間引いた苗はほかの場所に移植する」
標高の高い寒冷地に畑があるので、タネまきのチャンスは春だけです。秋まきはできません。
4月下旬、畑の雪がとけたらほかの野菜の畝の端に、少し厚めにタネをスジまきします。元肥は入れず、前作の残肥で育てます。
発芽したら草丈5cmくらいのときに、間引きを兼ねて土ごとていねいに掘り上げ、別の場所に移植します。このとき株間は10cmになるようにします。雨が降るとより発芽しやすいので、ニンジンと同じように6月~7月くらいにタネをまくのもいいと思います。
夏の間も涼しいところなので、畑に置いておいてもトウ立ちはしません。収穫する10月~11月までじっくり太らせます。12月上旬には雪が積もり、畑もおしまいですが、採り残したビーツが雪の下でも無事に越冬し、翌年の春に収穫できたこともありました。
ビーツだけの畝をつくることはあまりなく、ほかの野菜の畝の端などで育てている。
胚軸が直径10cmくらいに育ったら採り頃だが、収穫せずに畑に置いておいたところ、直径15cmほどに肥大したことも。形がゴツゴツしてかわいくなくなる。
ビーツのおいしい食べ方
ウクライナ料理の真っ赤なスープ、ボルシチに使うのが有名ですが、それ以外にも色を活かしたおいしい食べ方がたくさんあります。独特の土臭さは下処理することで食べやすくなります。
漬物の色づけやビーツのパウンドケーキに!
ビーツで漬物を染めてみました。皮をむいた生のもの、茹でて皮をむいたもの、茹で汁と3通り試したところ色の濃さが異なりました。生で染めたものは翌日には色が薄くなりました。
採れたビーツを友人におすそ分けしたらビーツと黒豆入りのパウンドケーキになって帰ってきました。オレンジっぽいピンク色がきれいで土臭さは感じずおいしくいただけました。
◆漬物の色づけに
切って塩もみしたダイコンにビーツを1~2割入れて色づけ。左側から生のビーツ、茹でたビーツ、茹で汁で。
◆【ビーツと黒豆のパウンドケーキ】の作り方
<材料>
18cm×8cmの型、薄力粉 100g、ベーキングパウダー 小さじ1、バター(食塩不使用) 120g、グラニュー糖 90g、卵2個、ビーツ 中サイズ 1~2個、茹でた黒豆
<つくり方>
01 ビーツは皮をむいて茹でて、ミキサーで砕いておく。
02 室温に戻したバターをボウルに入れて泡だて器で白っぽくなるまで練り、グラニュー糖を加えて混ぜる。溶き卵を少しずつ入れ、ビーツを入れてよく混ぜる。
03 粉類をふるって入れ、ゴムベラでさっくり混ぜ、黒豆を加える。
04 バターを薄く塗ってクッキングシートを敷いた型に流し入れ、180度に予熱したオーブンで35~40分焼く。
赤色が鮮やかなパスタ、ビーツのカーチョエペペ!
「独特の土臭さが気にならない育て方」
私の菜園では自然農に近い育て方で野菜を育てているので、土中の窒素分も控えめ。よくいわれるビーツの土臭さはほとんどありません。
ビーツはスープにすることも多いのですが、私のおすすめはカーチョエペペというパスタです。イタリア語でカーチョはチーズ、ペペはコショウの意味で、材料もつくり方もシンプルです。そこに皮をむいて茹でたビーツを加え、茹で汁も煮詰めて使います。詳しいつくり方は次の通りです。
ビーツとズッキーニをオリーブオイルで炒めて、塩コショウで味つけしたものもおいしいです。
◆ビーツのカーチョエペペ