ジャガイモ|栽培全般で耕起が必要になる!
ジャガイモは植えつけ、土寄せ、収穫と栽培の各所で耕起が必要になる野菜です。マルチ栽培をする場合も畝を立て直すために耕します。
ジャガイモは耕すだけで良質なイモが採れるようになります。野菜づくりを続けている畑は肥沃になっているので、耕すことで効き出してくる地力窒素でジャガイモは十分に育つからです。
とくに春作は地温が上がるまでに時間がかかるので、植えつけ前に耕して地力窒素を高めておく必要があります。根が張れるように、植える場所は18cm前後の深さまでよく耕して3層構造にしておきます。
堆肥と有機質肥料の投入は障害が出やすくなるので控えてください。イモの周りに有機物があると、病原菌や害虫の攻撃を受けやすくなります。
有機物が少ない低栄養の土壌では元気に育ち、肌がきれいで味がよく、日持ちするイモが採れます。
サトイモ| サトイモの耕起がいらないリレー栽培がある!
サトイモは発芽するのに温度が必要です。4月下旬~5月上旬の連休頃は地温が低いので、植えつけ前に耕起して微生物の活動を促します。
植え溝を掘るところを、20cmの深さまでよく耕しておきます。
多肥だとイモが肥大しません。野菜づくりを続けている畑なら耕すだけにします。土づくりをする場合は、堆肥だけを使って控えめに施します。低栄養の土壌では、子イモ、孫イモがたくさんつきます。
植えつけや土寄せで耕起が必要なサトイモですが、ジャガイモとのリレー栽培なら耕さないで済みます。
まずは3月上旬頃に耕して溝を掘り、ジャガイモを植えつけます。発芽して葉が伸びてきたら土寄せをします。サトイモの植えつけはこのタイミングです。土寄せをするとジャガイモの隣に溝ができるので、その溝を利用します。
6月になってジャガイモを収穫すると、掘り上げた土がサトイモの株元にかぶさります。サトイモの溝掘りも土寄せもあえてする必要がなくなります。
労力が減らせる一石二鳥のリレープランです。
リレー栽培をしない場合は、溝底植えがおすすめです。深さ20cmの溝を鍬で掘り、溝底に種イモを並べます。
植えたときは覆土せず、芽が伸びるたびに少しずつ土を落として埋めていきます。
5月上旬は地温が低く、しっかり覆土をして深く埋めると発芽が遅れますが、溝底植えなら地温が上がり、初期生育がよくなります。最終的に深植えした状態になりイモが肥大します。
サツマイモ|しっかり耕すと形のいいイモが採れる!
サツマイモは土がかたいとイモが丸い形になります。長細い形のイモを採りたい場合はよく耕して土をやわらかくしておくといいでしょう。
肥料分のない土壌の方がイモの肥大がよくなります。堆肥や肥料ではなく、赤玉土(1~2kg/m2)をまいてから15~20cmの深さまで耕して高めの畝をつくると、いいイモが採れます。
イモの収穫適期は定植から110日頃です。10月中旬~11月上旬に採れるイモは味がいいので、6月中旬~7月上旬の定植をおすすめします。
この時期は気温が高くて草も旺盛に生えてきます。生育初期に草が茂っていると光が十分に当たらなくなり、生育が極端に悪くなります。定植前に耕して草が生えるのを遅らせるほか、途中で中耕して除草します。わき芽が伸びて繁ってきたら、草の中でも育ちます。
ツルを伸ばす場所は不耕起にして草を生やします。裸地だと不定根が根付くからです。不定根が根付いたところにもイモができるので、肝心な株元のイモの太りが悪くなります。
ゴボウ、ニンジン、ダイコン|長くてまっすぐな根を収穫するために耕す!
ゴボウとニンジンは不耕起栽培の方がよく育って、香りのいいものを採ることができます。ただし、不耕起栽培では収穫時に大変な労力が必要です。
ニンジンを引き抜くにも力がいり、良質なゴボウができても掘り出す際に折れてしまっては困ります。
ニンジンは3層構造をつくる耕し方で問題ありません。耕して畝を整えた方が、スジまきがしやすくなります。
ゴボウはタネをまく場所を、ショベルを使って深さ70cmの溝を掘ります。深さ20cmの位置まで土を戻して(50cm分の土を戻す)、降雨後の陥没を防ぐために足で踏み固めます。
残りの土をすべて戻し、平らにならすか、高さ5~10cmの畝を立てます。深い位置まで根がまっすぐ伸び、味のいいゴボウが採れます。一度掘っているので、不耕起栽培よりも収穫しやすくなります。