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完熟果を埋めてスタート!「自然生え栽培」のやり方

完熟果を埋めてスタート!「自然生え栽培」のやり方

いわば“放牧”!野菜のいきいきとした姿を楽しんでください!タネ育て人中川原敏雄さんが、野菜のすごい生命力と本来の姿を楽しむ“自然生え”栽培の試し方を伝授します!

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「これが自然生えのトマト!」

タネ育て人 中川原敏雄さん

なかがわらとしお●
1949年、青森県生まれ。1990年より公益財団法人自然農法国際研究開発センターで、有機栽培向き品種の育成をスタート。定年退職後、2015年より野菜が自立して生育できる育て方とタネの育成に取り組んでいる。

野菜のすごい生命力と本来の姿を楽しむ

タネをまいていないのに、畑の隅っこなどで雑草のように生えてくる自然生えの野菜。ときにコンクリートを割って育つ“ド根性ダイコン”など、その驚くべき生命力が話題になることもある。

そんな野菜のたくましい“自生力”を引き出す栽培を試みているのが、タネ育て人の中川原敏雄さん。公益財団法人自然農法国際研究開発センターを定年退職後、草生栽培を独自の理論と経験から進化させ、タネの育成と自給野菜の栽培に取り組んでいる。

「“自然生えの野菜はよいものが収穫できない”というのが一般常識だと思いますが、それは誤解です。自然の土で育った自生野菜は、たとえば放牧牛や山菜と同じで、いきいきとした本来の元気な姿を見せてくれます。1種類1坪ほどの小さい面積で、手軽にできますよ」

自然生えから生命力にあふれたタネが自然に生まれる

ただし自然生え野菜は、“肥えた畑”が苦手。肥料を施した好条件の畑ほど、根の張りが悪く、病虫害にあいやすい株になってしまう。また、弱いものが自然淘汰されず、本来の生命力を発揮できないため、最終的には集団ごと共倒れになる。これが“自然生えの野菜はよくない”、といわれる所以だ。

つまり自然生え野菜は、無肥料・不耕起栽培が必須条件。たとえばハコベなどの草がこんもりと生える、施肥していない場所を選ぶとよい。堆肥やボカシ肥料なども一切使わず、手入れは草を刈って敷くのみ。「栽培」という概念から離れて、野菜自身を自立させる。
「一般に市販されているF1品種(一代交配種)を、無施肥の土で自然生えさせるとおもしろいですよ。F1品種は固定種より遺伝的多様性が高いため、多様な色や形のものが出現し、その雑種性に富んだ苗のかたまりの中で交雑します。すると、そこからこれまでにない魅力的なタネが生まれる可能性が高いといえます」

固定種は形質をそろえすぎると雑種性が低下して生命力が弱まる。しかし、自然生えさせてタネを採ることで雑種性のある個体が自然に選ばれ、パワーアップできる。

トマト

[自生栽培にとくにおすすめの品種]
『ブラジルミニ』(自然農法国際研究開発センター)
※大玉の品種は自然生え率が低い。

トマトはもっとも自生しやすい野菜のひとつ。F1品種を自生させると、ピンク色や赤色、色も形もさまざまな果実が出て楽しい。もっとも多く出たタイプが、その土地に適応したというサイン。割れにくいものを選んでタネを採っていくと、2年目からパワーアップし、3年目で新種ができる。

1. 秋、最後に熟した完熟果を集め、雨が当たらない風通しのよい場所に1か月ほど置いて追熟。11月、初霜が降りてから、自生させる痩せ地に20~30cm間隔に1個ずつ置き、果実が隠れるくらい浅めに土をかけて枯れ草で覆う。目印に棒を立てておく。

2. 桃の花が咲く頃に発芽。雑草の中で生き抜くために、あえて早く発芽し、“苗団子”(サルが集まって寒さをしのぐサル団子から中川原さんが命名)になって強い根をゆっくり張る。

3. 生育ステージの違う“苗団子”の集団が点々とできる。晩霜のリスクを分散するため、わざと発芽時期をずらしているようだ。定番作業の間引きや芽かき、整枝は最後まで一切しない。

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