有機質肥料のいろいろ(使い分け方)
有機質肥料には、生のものと発酵済みのものがあります。それぞれ特徴があって、適した使い道があります。
たくさん使いたい元肥用には、安価な生タイプを使い、追肥には、効きだしが早い発酵タイプを使うといいでしょう。
元肥に向く「ゆっくり効くタイプ」の有機質肥料
・施してから3週間後に植えつけをする
・肥料効果がおだやかにじわじわ出る
『油かす』
<三要素>
N5:P2:K1 など
<特徴>
油かすは、ナタネ油やコーン油などの搾りカス。原料によって三要素の含有量は若干変わりますが、いずれも窒素(N)を豊富に含む肥料で、あらゆる野菜に利用できます。
<使い方>
ゆっくり効く生の有機物なので、元肥として利用。植えつけの3週間前までに施しておきます。ボカシ肥料の材料にも向いています。
『米ぬか』
<三要素>
N2:P4:K1.5 など
<特徴>
米ぬかは、精米の際に出るかす。油かす同様に元肥向き。リン酸(P)がやや多く、油かすとブレンドして元肥に使うといい。コイン精米所や米穀店などで手に入ります。
<使い方>
植えつけの3週間前までに施し、土とよく混ぜます(土の中に塊が残ると米ぬかがかたまってしまう)。ボカシ肥料の材料のほか、堆肥づくりにも利用します。
元肥&追肥に向く「早く効きだすタイプ」の有機質肥料
・一度発酵させてあるので肥料効果がすぐに出る
・施肥後すぐに植えつけることができる
『発酵油かす』
<三要素>
N4:P6:K2 など
<特徴>
油かすを発酵させた、窒素(N)主体の有機質肥料。発酵済みなので、畑に施してから3日ほど置けばタネまきや苗の植えつけができます。さまざまな商品が市販されていて、油かす以外の有機物をブレンドして養分バランスをよくしたものが多いです。
<使い方>
元肥として使うほか、肥料効果が速やかに出るので追肥に利用できます。
『発酵鶏ふん』
<三要素>
N3:P6:K3 など
<特徴>
鶏ふんを発酵させたもの。リン酸(P)が豊富で、果菜類に利用すると、実のつきがよくなる。乾燥鶏ふんも利用されますが、独特の臭いがあります。家庭菜園では臭いが穏やかな発酵鶏ふんがおすすめです。
<使い方>
元肥や追肥に使います。ただし、化学肥料並みの即効性があるので使用量に注意します。