水やり
バラの成育になくてはならないものが水ですが、与え方によっては病気や害虫の発生を誘発し、株を軟弱にしてしまうことがあります。上手な水やりのコツを覚え、ていねいに行いましょう。
*基本の水やり
午前中に、土の乾き具合を見ながら静かに株元にたっぷり与える!
水を与える時間帯は鉢植え、庭植えとも、午前中が最適です。植物は葉が根から吸い上げた水と空気中の二酸化炭素を使い、光で光合成を行い、自ら栄養分をつくり出します。その作用が活発に行われているのが午前中なのです。
■鉢植え
年間を通して水やりが必要です。基本は「鉢土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり与える」こと。毎日少しずつ与えるやり方では、いつも表面が湿った状態で根腐れを起こしてしまうので、よくありません。
■庭植え
植えつけ直後は乾燥しないような管理が必要ですが、その後は、特に乾燥が続く場合でないかぎり水やりは不要です。ただし、シュートが伸びはじめている時期にひどく乾くと、シュートが短いままで開花してしまいます。
また、植えつけ1年目の幼い株、鉢植えを庭に移植した場合などは、株の様子を見ながら、定期的に水やりしましょう。
なお、常に水を与え続けると、バラの根は水を求めて土中深く伸びなくなります。過保護な水やりによって軟弱な株をつくることにもなるのでやめましょう。
【よい水やり】鉢土の表面が乾いてから、鉢底から流れ出るまで株元にたっぷり与える。
【よい水やり】霧状の水が出るホースノズルをつけて、ハス口を下に向けて静かに、やさしく与える。
【悪い水やり】株の上から水をかける :病気を誘発。特に冷たい水が葉にかかると、べと病が発生する。鉢植えも同様。
【悪い水やり】水圧を高くすると泥がはねる:ホースの先をつぶしたりして水圧を高くすると泥が飛び散って、黒点病を誘発する。
【悪い水やり】土を掘るようにたくさん与える :土が硬くなり、地面が固まる。
* 季節の水やり
夏と冬の水やりは違う!
夏の水やり 朝夕の涼しい時間に冷たい水を与えます。ときどき葉水を与えると、ハダニの除去に有効です。
冬の水やり 晴れた日の午前中(10〜12時)、気温が上がりはじめてから与えます。夕方は凍る心配があるので与えません。井戸水はホースの冷たい水を出してから、水道水はお湯を加えて少し水温を上げて与えます(15~23℃が適温)。
秋バラは8月の水やりが要!
秋バラを美しく咲かせるには、開花時期の1か月前の8月に十分な水を与える必要があります。この時期に水が切れると、花がつかない、ついても花が大きくならなかったり、花色が悪くなってしまいます。
★冬は水の出しはじめに、ホースの中の残留水がツララ状に凍ったものが出てくることがあるので、すべて出しきってから水やりをはじめる。
★細かい霧状の水がやさしく出るのが理想的。
1滴に高濃度の養分を配合した高品質な液体肥料。1週間に1回を目安に与える