
トマトとは?(特徴)
さまざまな料理で幅広く親しまれているトマト。栄養も満点で、完熟してすぐに食べられるトマトのおいしさは格別です。
・ナス科
・栄養/ビタミンA、C、ミネラルなど
・性質/日なたを好み乾燥に強い
・病害虫/アブラムシに注意
・連作/2~3年は不可
種まきと収穫に適した時期
■種まき:4~5月頃 ■収穫:7~8月頃
※野菜作りにはそれぞれに適した時期があります。
※関東地方を基準としたものです。関東より暑い地方や寒い地方で栽培する場合は時期の調整が必要です。
上手に作るためのポイント
★日当たりと水はけのよい場所で作る!
トマトは、水はけが悪く地表に水がたまるような環境だと、根が腐って枯れてしまいます(これを根腐れといいます)。
水はけ・風通しがよくなるよう、堆肥を与えてうねを高くして植えつけます。
★病気に強い品種を選ぶ!
一代交配やF1などの品種は、病気にかかりにくいように改良されているので、これらの品種を選びましょう。

育て方
1. 土を改良する
トマトは酸性に強いのですが、好石灰植物と言って、石灰や苦土が必要です。そこで、苗を植え付ける2週間前に、畑に1平方メートル当たり苦土石灰200g、ようりん150gを施し、よく耕します。
2. 元肥を入れる
苗を植えつける1週間前に、うね幅(80~90cm)に合わせて溝を掘って、堆肥を入れます。溝の深さはなるべく深く20cm以上にします。これに過リンサン石灰を1平方メートル当たり100g加えます。
最初に入れる堆肥や化成肥料などの肥料を元肥といいます。堆肥は半熟でもよいので、なるべく多く入れましょう。
堆肥がなければ草木を刈って入れても効果があります。堆肥がなくて草やワラを入れた時は、硫安を40g追加します。
トマト作りではチッソ肥料を元肥に多く施しすぎると、葉や茎の大きさのわりに実のつきが悪くなることが多いので、実ができるまではチッソ肥料を控え、実の肥大しはじめるころにチッソ肥料を施すと、実がたくさんとれます。
そこで、元肥を入れるときは、チッソ肥料(硫安)を離して施し、リンサン(ようりん・過リンサン石灰)・カリ・化成肥料がはじめに効くようにします。
3. うねを作る
掘り上げた土をもどして、化成肥料を1平方メートルあたり60g全面にまいて土によく混ぜます。元肥が土によく混ざったら、うねを高く作ります。

4. 苗を用意する
4月下旬~5月上旬に園芸店で苗を購入します。トマトは果実を収穫する野菜ですから、つぼみが充実していることが大切です。
苗は小さくても、芽先につぼみがあるものを選びます。大きくても芽先につぼみがないものは避けましょう。
5. 苗を植えつける
苗を植える穴を掘ります。トマトは水はけがよいとよく育つので、穴の深さは浅くします。苗についている土の部分がすっぽり入るのが適当です。
植え穴の底にたっぷり水をかけておきます。植え穴に苗を植えつけ、また、水をかけます。茎がグラグラする場合は、支柱を立てて、ひもで茎と支柱を8の字型に軽く結んでおきます。これが苗が生長する間の仮支柱です。
6. 苗を保護する
植えつけたら苗の4隅に支柱を立てて、ポリ袋をかぶせてやります。これをあんどんといいます。ポリ袋をすっぽりかけると葉やけを起こすので、かぶせた上はあけておきます。
トマトは、アブラムシが媒介してウイルス病にかかることが多いので、あんどんは、上から芽を出すぐらいまでなるべく長くかけた方がウイルスに侵されることが少なくすみます。
株が倒れるぐらいに大きくなったら、取り除いて地面に敷くとよいでしょう。
7. わき芽かきをたびたび行う
生育中に歯のつけねから出てくる小さい芽(わき芽)は手でかきとります。これをわき芽かきといいます。
わき芽を放っておくと、わき芽がのびて、主枝(中心になる茎)がのびなくなってしまうからです。
かきとったわき芽は、バーミキュライトのような清潔な土にさしておけば、生長して収穫できます!
8. 支柱を立てる
茎が生長してくると風で倒れやすくなるので、支柱でささえてやります。トマトは大きくなると果実や茎や葉が重いので、丈夫な支柱を使いましょう。太さ2cm以上の市販の支柱や竹などを用意します。
支柱は交差するように立て、横にも支柱(または竹)を置いて、結びつけるようにすると、風に強くなります。
9. 茎を支柱に結び付ける
支柱を立てたら、ひもで茎を支柱に8の字型に結びつけます。これを結束ともいいます。トマトがずり落ちないように、また茎が折れないように誘引するのがコツです。

10. 開花
葉が8~10枚になると数個のつぼみが見えます。トマトの花は集まって咲くので花房(かぼう)とよばれ、下の方から第一花房、第二花房といいます。5~6個の大きな花が集まっているのがよい花房です。
このころになると、支柱を立てたりするとき、うっかりすると根元をふんでしまいます。根を傷つけ、土が固まるとトマトの生育が悪くなるので、うねの上をふまないで溝を通路にして歩くようにします。
これは病気にかからせないためにも大切なことです。

11. 肥料を追加する
最初に咲いた花(第一花房)がしぼみ、果実が指先ぐらいに太り始めたら、肥料を追加します。これを追肥(ついひ)といいます。
マグァンプK小粒などの化成肥料をうねの長さ1.5mにつき40g施します。トマトの根元から20cm以上離して施します。
茎の高さが70cmになれば、根も70cm以上になっているので、うね全体に広がっていると考えなければなりません。中耕や除草などの作業はなるべく行わず、追肥の時も溝を掘らないでそのまま上から施します。
硫安などのチッソ肥料を、第1回目追肥後2週間ごとに施します。1回に施す追肥の量は、うねの長さ2~3mにつき硫安ひとつかみで、少量ずつ回数多く施すのがコツです。

12. 上の芽をつみとる
下から4段目の花の房(第四花房)が見えてきたら、その上に葉を2枚つけて芽を摘みます。これを摘芯(てきしん)といいます。摘芯すると、栄養が果実のほうにいくので、早く果実がとれることになります。

13. 収穫する
花が咲いてから50~60日で収穫できます。完熟したら、ハサミで切り取って収穫します。収穫後もどんどん果実ができるので、また追肥をします。

●萎凋病(いちょうびょう):トマトの茎の一報側の葉だけが下から上まで枯れる病気です。病気に強い品種を選び、連作をしないようにして予防します。
●疫病(えきびょう):梅雨の時期に発生しやすい病気で、葉・茎・果実が枯れてしまいます。入梅前に、時々薬剤を散布します。
●尻腐れ病(しりぐされびょう):トマトの尻が黒くなって腐る病気で、梅雨前に多く発生します。石灰不足が原因なので、対策としては、石灰を十分施すことです。
また、土が乾きすぎている時もトマトが土中の石灰を吸収できなくなるので、根元にワラを敷いたり、フィルムマッチングすることで、土の乾きを防ぎます。
●ウイルス病:アブラムシが伝染させる病気で、葉が委縮してしまいます。土を清潔にして伝染源を除き、アブラムシを見つけしだい捕殺することです。苗が小さいときはあんどんなどで保護し、アブラムシの飛来を防ぐとことも有効です。
トマトを使った料理 おすすめレシピ

自分で作ったトマトは、格別な美味しさ!新鮮な状態で、さっそく料理にも取り掛かりましょう♪
ここではおすすめのトマト料理のレシピをご紹介します。
『スパゲティ・プッタネスカ』

ピリッと辛いトマトベースのスパゲティはアンチョビ入りのクセになる味!
・完熟トマトみじん切り 1と1/2カップ
・ニンニク 1かけ
・赤唐辛子 1本
・オリーブオイル 大さじ4
・アンチョビ(缶詰) 3本
・ケッパー 14~16粒
・オレガノ 少々
・パセリのみじん切り 少々
・塩、黒こしょう 各少々
・スパゲッティ 160g
【作り方】
①にんにくはみじん切りに、赤唐辛子は種を抜いてくだきます。
②フライパンにオリーブオイル、にんにく、赤唐辛子を入れます。
③弱火にかけ、にんにくがきつね色になるまでじっくり炒めます。
④完熟のトマトを手で潰しながら加え、混ぜながら、サッと炒めます。
⑤ケッパー、オレガノを加え、アンチョビを幅1cmぐらいに手でちぎって加え、パセリをふります。
⑥塩、黒コショウをふって弱火で、5~6分煮込みます。
⑦スパゲティをアルデンテにゆで上げ、ざるで水気を切ります。
⑧⑥にゆであがったスパゲティを加え、サッと絡めて塩、黒コショウで味を調え、皿に盛り、上からパセリを散らします。
『トマトカップのチーズ焼き』

トマトカップのすわりをよくするために、カップの下の部分を切り落としましょう!
・トマト 4個
・豚ひき肉 200g
・玉ねぎ(みじん切り) 1/2個分
・ピザ用チーズ 120g
・ニンニク(みじん切り) 少々
・酒 大さじ4
・しょうゆ 大さじ3
・粗挽き黒コショウ 少々
・サラダ油 適宜
・パセリ(みじん切り) 大さじ1
【作り方】
①トマトはヘタを取り除いて横半分に切り、中身をくり抜きます。
②切り口と逆の方を少し切り落とし、粗いみじん切りにします。
③フライパンにサラダ油を熱し、にんにくとたまねぎを炒めます。
④ひき肉を加えて炒め、肉の色が変わったら酒、しょうゆで調味します。
⑤④を8等分してトマトに詰め②とチーズをのせてこしょうをふります。
⑥オーブントースターの天板にアルミホイルを敷き、サラダ油を薄く塗ります。
⑦アルミホイルにトマトをのせ、焼き色がつくまで約4分焼きます。
⑧器に盛り、トマトの上にパセリをふります。
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