はじめに
今回は洋服作りをするときによく登場する、部分的な縫い方をご紹介します。縫い方や手順を知っていれば、手早く、きれいに仕立てることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
夏のワンピースやトップスなどによく見られる、衿、袖のないノーカラーノースリーブのアイテム。こういったデザインのひとつに、ボタンなどのあきがなく、うら側にある見返しが前後ともに衿ぐりから袖ぐりにかけて続いている作りになっているものがあります。
読者の皆様からもよくご質問いただく、こちらのデザインの縫い方をご紹介します。それでは始めていきましょう!
使用する布地
まずはじめに今回の部分縫いで使う布地をご紹介します。
身頃がブルー、見返しがピンクの布地です。それぞれおもて側、うら側が分かりやすいように、表裏の見た目が違うものを使っていきます。
今回見返しのうら側は全面に接着芯を貼るので、こちらのベージュの接着芯を貼った状態にしています。
使用するパーツ
こちらが今回使用するパーツで前、後ろ、前見返し、後ろ見返しの4パーツです。
見返しは前後ともうら側の全面に接着芯を貼っています。裁断後、できあがり線にチャコペーパーで印をつけているのでその線に沿って縫っていきます。
今からご紹介する仕立て方は極端に肩幅が狭い場合はひっくり返すという工程で返せない場合があるので注意が必要です。
身頃・見返しの肩線を縫う
上の赤のギザギザ線部分、見返しの端と身頃の脇線に裁ち目かがりのミシンをかけます。
最初に身頃の肩線を縫っていきます。
前と後ろのおもて面どうしを合わせます。
左右の肩線、赤い線の部分を縫います。
まち針でとめます。
直線縫いのミシンで肩線を縫います。
縫い始めと縫い終わりは返し縫いをしましょう。
縫い代をアイロンで開きます。
次に見返しの肩線を縫っていきます。
先ほどの身頃と同様です。
前見返しと後ろ見返しのおもて面どうしを合わせます。
左右の肩線、赤い線の部分をミシンで縫います。
まち針でとめます。
ミシンで縫います。
縫い代をアイロンで開きます。
衿ぐり線を縫う
次に衿ぐり線を縫っていきます。
身頃と見返しのおもて面どうしを合わせます。
衿ぐり線、赤い線の部分を縫います。
まち針で衿ぐりを一周とめます。
このとき、それぞれの肩線のはぎ目がぴったり合うようにまち針をとめると、縫ったときにきれいに仕上がります。
ミシンで衿ぐり線を縫います。
縫い始めと縫い終わりの縫い目が重なるので、返し縫いはしなくてもOKです。
縫い代が0.5cmくらいになるようにカットします。
カーブになっている部分はこのように縫い代をカットしたり切り込みを入れたりしないと、ひっくり返したときに布地がつれてしまいます。
縫い代をアイロンで開きます。
このとき、カーブなどの立体的な部分にアイロンをする場合は「まんじゅう(プレスボール)」という道具があると便利です。この「まんじゅう」にはいろいろな形があるので、アイロンをかけたい部分に適したカーブがあるまんじゅうを選ぶと良いでしょう。
見返しを身頃のうら側にひっくり返します。
衿ぐりにアイロンをかけて整えます。
このときにおもて側から見返しが見えないように、1mmほど控えておきます。
袖ぐり線を縫う
ここからがポイントです。
左の袖ぐり線、赤い線の部分を縫っていきます。
右の身頃をくるむようにして布地をまわし、身頃と見返しの袖ぐり線を合わせます。
少しわかりづらいので合わせる部分に目印として4ヵ所クリップをつけます。
グリップのついた側が下になるように半分に折ります。
一番下にあるクリップのついた見返しを左側へ持っていきます。
右の袖ぐりをひと折りしてよけておきます。
クリップがついたところ、おもて面どうしで袖ぐり線を合わせます。
こうすると右の身頃がくるまれて、身頃と見返しの左袖ぐりがおもて面どうしで合わせられます。
このグリップのまま縫ってもいいですが、くるんでいる右の身頃をはさんで、一緒に縫い込んでしまわないように、細かくまち針でとめていくのがおすすめです。