下図:キュウリの茂った葉の陰ですくすくと育つ苗。移植したらすぐに寒冷紗トンネルで覆って育てる。
04 本葉4~5枚で畑に定植する
◆日差しが弱い曇りの日に苗の大きさをそろえて定植
9月中旬頃、本葉が4~5枚ほど出て、草丈15cmほどになった苗を畑に定植します。定植は曇りの日の午後など、気温や日差しが強くないときに行うと苗の負担も減ります。
移植ゴテを苗床の土に挿して根鉢をブロック状に掘り上げ、左のイラストのように用意しておいた畝に株間30cmで植えます。このとき、苗の生長具合を見て、大きさをそろえて植えつけるとその後の育ちも足並みがそろいます。
下図:移植ゴテを斜めに挿して傾けて植え穴をつくり、本葉4~5枚まで育った苗を定植する。植え穴に根をまっすぐに入れて株元に土を寄せる。
育苗スタートは8月下旬!〝ごろ寝〟移植するハクサイ・レタス
ハクサイが結球するよう逆算して育苗を始める
ハクサイの育苗期間は25~30日で、私の畑では8月下旬にタネまきをします。品種の特徴や地域の気候にもよりますが、最近は秋口でも気温が高めで、昔よりもタネまきを少し遅くした方がいいように感じています。
しかも、ハクサイは苗を植える時期が遅れると結球に至らないことがあるので、いつ畑に定植するかを逆算して、キッチリ合わせてタネをまくことが大事です。
レタスには結球する玉レタスと結球しないリーフレタスがあります。巻かない分、リーフレタスは気軽に育てられます。1週間くらい間隔をあけてタネを少量ずつ何度かずらしまきすると、収穫時期もずれ、長く楽しめます。
レタスは暑さが苦手ですが、育苗はまだ夏の暑さが厳しいときに行うので、日が当たらない涼しい日陰で育苗するようにしましょう。
01 タネをまく
◆ハクサイは1粒ずつレタスはバラまきする
8月下旬、ハクサイとレタスの育苗を家の近くの涼しい場所で始めます。ハクサイは市販の育苗用の土を入れた128穴のセルトレイに1粒ずつまき、5mm程度覆土して鎮圧します。
レタスは育苗用の土を入れた育苗トレイにタネをバラまきします。好光性種子なので発芽に光が必要です。タネをバラまいたら覆土はごく薄くして、手のひらで鎮圧します。育苗する数が少ない場合は、底に水抜き穴をあけた豆腐やミニトマトの空パック、または直径15cmくらいの育苗ポットを使ってもいいでしょう。
タネをまき終わったらジョウロで水を与えてから、発芽するまでは新聞紙をかけておきます。湿気が保たれて発芽がよくそろいます。
【Point】高いところで育苗し寒冷紗をべた掛けする!
タネをまき終わったセルトレイや育苗トレイは、地面に置かずに家のそばの涼しい日陰になる場所につくった台の上に載せておきます。台の高さは1mくらいあればいいでしょう。コオロギなど、幼い苗を食害する虫を遠ざけます。苗の上には虫よけのための寒冷紗をべた掛けしておきます。
育苗中の水やりは、朝に土をチェックして、乾いていたらジョウロでやさしく与えます。夕方に水やりすると夜の間に徒長して弱い苗になるので要注意です。
下図:家のそばで育てると目が届きやすく、水やりもしやすい。涼しくて日陰になる場所に高さ1mほどの台をつくり、その上で育苗するといい。
02 本葉1~2枚で〝ごろ寝〟移植する
◆1本ずつ根傷みが少ない〝ごろ寝〟移植する
ハクサイもレタスも本葉1~2枚出るまで育てたら、一度移植します。私のおすすめは、下のイラストのように土を入れた育苗トレイに苗を横に寝かせた“ごろ寝”移植です。
まず、育苗トレイの土の上に条間10cm、深さ5mmほどの溝を指か棒でつけます。その溝にハクサイやレタスの苗を1本ずつ寝かせ、根の部分にだけ土をかぶせておきます。苗を寝かせると根傷みが少ないうえに、しばらくするとしっかり起き上がって根付き、新しい根や次の本葉も出てきます。
03 本葉4~5枚で畑に定植する
◆根を傷めないように定植しトンネルを掛けて防虫対策
本葉4~5枚に育ったら定植のタイミングです。移植ゴテで1本ずつ苗を掘り上げ、植え穴に根鉢を入れたら土を株元に寄せます。強く鎮圧すると根を傷めるので軽めに鎮圧します。
ハクサイは株間40cm、レタスは株間30cmで定植します。
定植したら畝全体に不織布や寒冷紗のトンネルを掛けて防虫対策をします。