日中、日当たりと風通しのよい場所で1週間ほど干す。夜は室内に取り込むか、夜露が当たらない場所に入れる。
*自家製だからこそお好みの仕上がりで
ご家庭で干しイモをつくるなら、ぜひ日によって違うおいしさを楽しんでください。私は、干して3~4日目が好きです。半生くらいの状態で、とてもおいしいですよ。高級スイーツにも負けない上品な甘さです。
保存のためにはよく干すといいのですが、干しすぎると食感がかたくなってしまいます。すぐ食べるのであれば水分が多くても大丈夫。いちばん好きな段階で食べられるのも自家製ならではの醍醐味。お好きな干し具合で冷蔵・冷凍保存もできますので、毎日、食べながらお好みの状態を見つけるのも楽しいですね。
「お茶にもコーヒーにも合う干しイモ。自然な甘さにほっとします。保存料なども一切使っていないので、小さいお子さまのおやつにも安心です。もちもちの食感を堪能してください。」
小さいサツマイモは、ぜひ「丸干し」に!
小さいサツマイモは、ぜひ「丸干し」にしてください。平干しの3倍の時間がかかりますが、平干しとはまた違った、歯ごたえとボリューム感が楽しめます。
サイズにもよりますが2日に1度くらい表裏を返しながら20日ほど干します。7日ごとに涼しい場所に1日取り込むと、よりおいしくなります。段ボール箱にビニールを敷いた上に1日置くと、表面がやわらかくなって水分が浮いてきます。これをまた干すと表面がよく乾くようになり、中の水分が出にくくなって、しっとりと仕上がります。
収穫時に、小さいサツマイモだけを集めておこう。
蒸して、まだ熱いうちに皮をむいて干す。
形もかわいい「丸干し」。格別なおいしさです!
「干しイモ」は優れた保存食
干しイモづくりは、江戸時代後期に静岡県御前崎市で始まりました。熟成させたサツマイモを蒸して干すだけで、保存料や添加物を一切使っていない自然食品でありながら「甘くておいしい」「保存が利く」「携帯できる」便利な食品として、長く愛されてきた伝統加工食品です。戦時中にも兵士の携帯食や、市民の保存食としてつくられてきました。
茨城県に伝わったのは、明治時代。干しイモづくりに向いた気候に恵まれ、昭和30年には静岡県を抜いて生産量第1位になりました。2020年にはひたちなか市に「ほしいも神社」が創設され「ほしいものが手に入る」ご利益があるとして人気を集めています。
食物繊維が多く、ビタミン、カリウムなどの栄養素を多く含み、脂質はほとんどありません。カロリーは多めですが、タンパク質を含んでいるため腹持ちがよく、ダイエットや筋トレに向くと、最近では健康食品としても注目されています。
干しイモ1週間 食レポ!
編集部で実践!1週間、干しながら、毎日、食べてみました。
■1日目:蒸したてはとろけるようなやわらかさ。甘味と香りが口いっぱいに広がります!