お酢のパワーを引き出す使い方のコツ
虫や病気の被害が広がる前に利用し始めるのがポイントです。野菜自体の免疫力が高まり、お酢のパワーがさらに引き出されます。
*葉面にスプレーする場合
予防的に利用して野菜の体質を改善する!
お酢の散布は、病気の治癒や害虫退治に直接的に働きかけるものではありません。野菜の免疫力を高めるためのお手伝い、活力を高めるためのスターターなのです。
虫がつき始めたり、病気が出始めたりするのは、何らかの原因で野菜自体の免疫力が落ちているサインです。畑に出るたびに野菜をよく観察して、「おや、何か様子がおかしい」と思ったら、予防的にお酢を利用するといいでしょう。
さて、3日スプレーを続けたら3日休むといいと紹介しました。これには理由があります。
1日目、野菜は「あれ、何かかけられたぞ」と思います。2日目にお酢を咀嚼して、3日目でようやくお酢をじょうずに利用できるようになります。その後で3日休むのにも理由があります。スプレーし続けるとお酢なしではいられない体になるからです。
そういうイメージでお酢を使うと、野菜は丈夫に育ちます。
また、環境が変わって野菜がショックを受けているときにも、お酢の散布は効果的です。植え替えや剪定後、風に揺られて調子が悪いとき、台風のあとにぐったりしているときにも、葉面や株元に散布すると活力を取り戻します。
なお、お酢を使い始めるのは本葉が出て新芽が盛んに出始める頃からです。小さな苗のうちは使わない方がいいです。
・予防的に利用すると効果が得られる
・3日散布したら3日休む
・剪定後や台風のあとのケアに利用
・小さな苗のうちは利用しない
写真の虫はクサカゲロウ。アブラムシがいると卵を産みにきて、幼虫がアブラムシを食べる。
トウガラシ入りのお酢をむやみに散布すると、天敵も遠ざけてしまう。よく観察して、天敵の営みを邪魔しないことも重要だ。
*土壌散布する場合
畝立てをしたときや栽培途中にたっぷり散布!
土壌散布の場合は、葉面散布よりも若干濃い目のお酢を利用しても構いません。水で100倍~300倍に薄めて利用します。
お酢の土壌散布は、生物活性が低い新規の畑などの土壌改良に効果を発揮します。
ただし、お酢だけに頼っても、土壌改良はうまくいきません。土壌微生物のエサとなる有機物を適切に施して、生命力のある土をつくる必要があります。
適量の腐葉土のすき込みや、緑肥作物の利用、敷き草や敷きワラなど有機物マルチを利用して、畝はもちろん通路も土を裸にしないなど、畑の生物相を豊かにする工夫を続けることが重要です。
こうしたうえでお酢を利用すれば、万が一、何らかの理由で野菜が弱ったときでも、野菜は根を丈夫に伸ばして健康を取り戻すことができます。
注意点は、野菜が元気で調子がいいときの散布は控えることです。養分を吸いすぎて、かえって野菜に虫がついてしまうなど、逆効果になることもあります。
※エダマメのタネまき前、お酢の原液をスプレーする。このひと手間で病気を防げる。
*タネまき、苗植えの前に
マメ類の消毒に効果的!苗は酢水を底面から吸水!
夏野菜でも秋冬野菜でも、苗を定植する際にお酢を利用します。
水で300倍に薄めたお酢を入れた容器に育苗ポットを並べ、底面から吸水させます。ポットの用土の中で微生物が活性化して、定植後の活着がスムーズになります。
また、マメ類のタネはお酢を薄めずに原液のままスプレーしてからタネまきをします。お酢の消毒効果で、マメの表面についている菌を殺菌するのです。ソラマメのような大きなタネは、原液で湿らせたガーゼやティッシュペーパーでマメを拭いてから植えるといいでしょう。
・タネまきや定植前に利用して土壌環境を改善
・栽培中は、野菜が弱ったときに利用する
・野菜が順調に育っているなら酢は使用しない
※植えつけ前に酢水を底面から給水する。日陰に30分くらい置いておくといい。
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