タマネギの栽培の基本情報
・科:ヒガンバナ科
・植えつけ:9月中旬
・定植:11月
・収穫:5月~6月
気をつけたいトラブル
■害虫
アザミウマが吸汁し、葉が白くかすれる。ネギアブラムシもつく。天敵が少ない畑、肥料過多の畑で害虫が増える。
定植後はネキリムシに注意。
■病気
乾腐(かんぷ)病はカビによる病気。病原菌が根の傷から侵入する。水はけをよくして根腐れを起こさないようにする。
センチュウを増やさないことも防除のポイント。
軟腐病は玉が腐っていやな臭いがする細菌による病気。アザミウマの吸汁痕などの傷口に泥がはねてつくとそこから細菌が侵入する。
1:もみ殻マルチで根腐れを防ぐ
水はけが悪い畑ではもみ殻マルチがおすすめ
植えつけた苗が消えてしまう、苗が育たないといったトラブルの多くは、根腐れが原因です。
水はけが悪い畑や長雨で多湿になると根腐れが起きやすくなります。根腐れが心配な畑では畝にもみ殻を敷きましょう。
畝を裸地にすると土の表面が雨に叩かれ、表層の5mm~1cmほどが緻密な層になります。緻密層は水の通りが悪く、雨が浸透せずに根元が多湿になって腐りやすくなるのです。もみ殻を敷くことで雨に叩かれなくなるので緻密層ができず、多湿を防げます。
育苗中は除草・中耕をすると排水性がよくなります。中耕と追肥のあとでもみ殻を敷いておきましょう。
上の画像は、もみ殻を全面にまいた畝。もみ殻マルチは多湿を防ぐほか、雑草抑えや霜柱予防にも役立ちます。黒マルチも多湿を防ぎます。
定植後に古い根が腐敗するとトラブル
定植するときは深植えをしないように。苗の根元をしっかり土に埋めると苗が腐りやすくなります。
植え溝に苗を並べ、溝の土が少し崩れて根の上にパラッとかかるくらいの薄い覆土がちょうどよく、根腐れせずにスムーズに活着します。
定植後、苗から生えていた根は全部朽ちてなくなり、新しい根が生えて活着します。
古い根がきれいに枯れれば問題ないのですが、深植えすると古い根が枯れずに腐敗することがあり、そうなると茎の方も腐ってきます。
粘土質の畑や地下水位の高い畑では根腐れしやすいので、注意してください。砂地の畑は水はけがいいので深植えしても大丈夫です。
株間10cm程度で溝に苗を並べて定植。株元に土が少しかかるくらいの覆土でよく根付きます。
2:畝の周囲に花を育ててアザミウマ被害を減らす
集団で吸汁されると光合成が妨げられる
タマネギにはアザミウマがよくつきます。吸汁された箇所は葉緑素が抜けて白くなります。群生して吸汁されると葉の全体に白っぽい斑点ができ、光合成が阻害されます。
被害が多発するのは3月~5月で、タマネギの肥大時期と重なります。光合成の量が落ちると株の生育も玉の肥大も悪くなるので問題です。
アザミウマはとても小さな虫で、目合い0.4mm以下の防虫ネットでないと防除できません。
アザミウマは花を好み、花の中で生活します。花の多い畑では被害が出なくなります。4月~6月に咲く花を周囲に植えるとアザミウマ被害がなくなります。
畝の周囲に花が植えられていると、アザミウマのほかにアブラムシやヨトウムシなども防げます。
青色に誘引されるので、青い花がより効果的です。ボリジ。9月~10月にまくと翌年4月~8月に開花。
矢車菊(別名:コーンフラワー)。9月~10月まきの場合、開花は翌年4月~6月頃。花色は青以外に白、紫、ピンクなどがある。ボリジも矢車菊もエディブルフラワーとして食べられます。