ナバナ3種の基本情報
◆オクナ
早春にトウ立ちする花芽をかき採るかき菜の一種。「おいしい摘み菜だよ」と地元の農家の方から義母がいただいたものをタネ採りしながら毎年栽培しています。苦味はほとんどなく、甘くておいしいです。
◆のらぼう菜
友人が「おいしいよ」とおすそ分けしてくれたかき菜の一種。見かけはオクナとあまり区別がつきません。癖や苦味がなく、生でも食べられるくらい甘くておいしいのでお気に入りです。
◆カラシナ
葉は食べずに春にトウ立ちした花芽を摘んでカラシナ漬けにしています。友人がつくったカラシナ漬けを「鼻にツーンとくる辛さがおいしい」と褒めたらタネを分けてくれました。
栽培のコツ・栽培カレンダー
葉物野菜と同じ畝に作付け。施肥をすると大きくなりすぎるので、軽く耕すだけ。
【DATA】
●畝幅:40cm
●まき方:10cm幅でバラまき
●元肥:なし
●追肥:なし
育て方
こささじゅんこ●菜園歴28年。茨城水戸市の自宅裏庭につくった約150坪の畑で年間50種類以上の野菜を有機・無農薬で栽培。もともとは義母・賀子さんのアドバイスを受けながら二人三脚で始めた家庭菜園だが、今は順子さんがメイン。理科の免許を持つ元教員で、好奇心と家族のよろこぶ顔を原動力にチャレンジを繰り返しながら野菜づくりを楽しんでいる。
◆畝立てして栽培すれば上品なサイズの花芽になる
我が家のナバナ3種はすべていただきものです。オクナものらぼう菜も似ていて見分けがつかないので同じナバナで呼び名が違うだけかと思っていましたが花の時期が1週間ずれます。どうやら違う種類のようです。オクナは地元の農家からいただいたので、このあたりのナバナなのかもしれません。
こぼれダネから育てると、直径1cmくらいのとても太い花芽が採れます。食べごたえがあって私は好きですが、鉛筆の太さくらいの上品なサイズの花芽が採りたければ、きちんと畝を立てて栽培した方がよさそうです。
1~2本畑に残して花を咲かせれば十分な量のタネが採れます。とくにのらぼう菜は交雑しないのでラクにタネ採りできておすすめです。
*01 タネまき
ナバナの中でいちばん目を掛けているオクナは幅40cmの長い畝を立て栽培しています。肥料を入れると大きくなりすぎるので、少し耕すだけで元肥は入れません。タネまきが遅れると細い花芽しか採れないので、遅くても9月中にタネをまきます。畝の中央に10cm幅でタネをバラまきし、土をかけてから足で踏んでしっかり鎮圧します。
のらぼう菜とカラシナは毎年出てくるこぼれダネから4~5株残して育てています。
「エンドウの横の畝に1列オクナのタネをまいた。畝を立てて栽培すると上品なサイズの花芽が収穫できる。」
*02 メンテナンス
芽が出てまだ株が小さいうちは、草に負けないようにしっかり草取りをします。
本格的に寒くなる前までにある程度大きく育たないと、春先に出てくる花芽が細くなります。草丈10cmくらいで、地面に這うように葉を広げて(ロゼット状)寒さに耐えながら冬を越します。
春になり、暖かくなってくると急に株が大きく生長し始め、トウ立ちして次々と花芽が伸びてきます。
*03 収穫
伸びてきた花芽のやわらかいところを随時収穫します。茎を指でつまんで傾けると自然にポキッと折れるところがあります。ハサミで切って収穫するよりも指で折り採る方が、食べられるやわらかさのものが採れます。採り遅れると筋張ってかたくておいしくなくなるので、どんどん摘み採るようにしましょう。
ナバナには独特の苦味があるものが多いですが、オクナとのらぼう菜は生でも食べられるほど苦味はなく、甘くておいしいです。天ぷら、さっと茹でておひたしやゴマ和えなどで食べます。
カラシナは花芽の花の方からさっとお湯にくぐらせてから塩で漬けるカラシナ漬けにします。火を通しすぎると辛くなくなるので注意します。