はじめに
独特の和の風合いが特徴的な縮緬(ちりめん)は、その鮮やかな発色と和布ならではの雅な柄で、いろんなシーンで活用されています。
綿などに比べて扱い方が難しい縮緬ですが、つまみ細工や和布小物くらいの作品であれば、ちょっとした工夫でスムーズに作業をすることが出来ます!
こちらでは縮緬の種類、扱い方、選び方を簡単にまとめていますので、初めての縮緬作品づくりの参考にしてみてくださ!
併せて、ぬくもりに掲載しているちりめん作品のレシピもご紹介していますので、ぜひご覧になってみてください♪
縮緬とは
縮緬(ちりめん)とは、表面に細かいシボのある絹織物のことを言います。
縦糸によりのない生糸、横糸によりの強い生糸を使って平織りにした布で、横糸が戻ろうとする力が加わることで縮みが生じて、布地全体に広がる独特の凹凸(シボ)を作り出します。
シボに対して垂直方向が布の縦、平行方向が横になります。
縮緬生地は皺(シワ)になりにくく、伸縮性も抜群だったため、昔から重宝されてきました。現在ではノスタルジックな雰囲気を楽しめると和装のアクセサリー、お財布などの小物、ブックカバーや扇子、インテリアの装飾の生地として活用されています。
横の生糸の渡し方によってシボの大きさを変えることができ 「一越(ひとこし)縮緬」や「二越(ふたこし)縮緬」と種類が変わります。
もともと絹で作られていた縮緬ですが、最近ではポリエステルやレーヨンなどの化繊の縮緬も多くなって来ています。
人気の縮緬はぎれ
縮緬のはぎれを使った代表的なハンドメイドといえば「つまみ細工」ではないでしょうか?
つまみ細工で作ったアクセサリーは普段使いにも、和装の時にも重宝しますよね!他にもくるみボタンアクセサリーや、シュシュも簡単に作れるのでおすすめです。
縮緬アイテムは、子供の七五三など節目のイベントにも大活躍!小さなはぎれを使って簡単にヘアアクセサリーやコサージュ、帯飾りを手作りすることができますので、贈り物としても喜ばれます。
はぎれと聞くと”余り布”のイメージを強く持たれるかもしれませんが、縮緬は元が上質な生地ですので仕上りも上品になります。
縮緬の取り扱い方
シボが特徴的で、特有の生地感を持つ縮緬は、扱い方に少しコツが必要です。
ここからは、印のつけ方と縫い方のポイントを簡単に説明します!上手に生地を扱う事で、仕上がりに格段の差が出ますのでぜひ、チェックしてみて下さい♪
*縮緬に印をつけたい!
縮緬の表面は凸凹していてやわらかく、生地に張りがないため、印を付ける時に歪んだり、ペン先が引っかかったりするので、上手に線を引くにはコツが必要です!型紙の大きさやパーツによってペンを使い分けると、比較的スムーズに線引きができるのでおすすめです。
滑らかに描けて、にじみが少ない
●水性ボールペン
滑らかに描けるが、にじむので細いペンを使用する。表布には不向き。
●チャコペン
滑らかに描けるが、にじみやすい。消せるタイプが◎。
また、型紙を使うときには縮緬の下にヤスリや目の粗い帆布を敷くと、生地がずれにくく線が引きやすくなります。その上からしっかり手で押さえながら、少しずつ印をつけていくと綺麗に描くことが出来ます。
*縮緬を縫う!
縮緬を縫いわせるときのコツをご紹介します!
1. 縫い線に合せて、まち針で固定する。
2. 縫い代に、部分的に仮止め用の糊を使用する。
こうすることで簡単に仮止めができ、まち針を外してもくっついたままなので、しつけも不要になり便利です!布もずれにくくなり、まち針も邪魔にならないので、スイスイ縫い進められます♪
布が柔らかくよれやすいので、広範囲にまち針を打つ時は、間隔を細かくするとずれにくくなりますよ!
縮緬生地の種類・選び方
では、縮緬の種類と選び方について、簡単にご紹介します。
*伝統的な縮緬
縮緬のよりの強い横糸は、本ではなく「越」と数えられます。横糸が1本のものを「一越縮緬」、2本のものを「二越縮緬」と言います。
横糸の本数で生地の質感が変わり、地域によってもシボの凹凸具合や風合いが異なります。代表的なものが「丹後縮緬」と「浜縮緬」で、どちらも関西で生まれました。
細い糸を使用しているので、シボが小さく薄く柔らかい。歴史が古くつまみ細工にも◎。
■二越縮緬
横糸が多いため、一越縮緬に比べて伸縮性が高く、シボも大きめ。
■鬼縮緬
横糸を4本、または6本使用しておりシボが大きく粗い。風呂敷や袱紗に最適。
*化繊の縮緬
最近では化繊の縮緬が多く販売されており、安価で扱いやすく初心者にもおすすめです!
落ち着きのある発色が特徴で、お洗濯ができるので洋服やカバンなど、身に付けるものに使用できる。
◆レーヨン縮緬
シボが大きく光沢がある。透けにくく、高級感がある。