弱った野菜を元気にし病虫害も減る
お酢は、うどんこ病やアブラムシ被害などを予防することも可能です。さっそくその方法を紹介していきます。また、先で触れますが、土壌微生物のほか、地上部の生き物も増え、畑の生物多様性が高まり、畑の中に自然の調和をつくりだすことも可能になります。無農薬の野菜づくりを容易に楽しめるようになります。
なお、畑で利用するお酢は、穀物酢や果実酢などの醸造酢がおすすめです。合成酢は使いません。ホームセンターの園芸コーナーなどで売っている木酢液も利用できます。
農薬に頼らない家庭菜園では、病気や害虫を避けるのはなかなか難しいことだと思います。ぜひ、お酢の力を借りて、おいしい野菜を育ててください。
みなさんの畑で、もし、ちょっと元気がなくなった野菜があったら、さっそく試してみましょう。お酢の効能を実感できると思います。
醸造酢や木酢液を利用する
左から、米酢、木酢液、手づくりの柿酢。畑では穀物や果実が原料の醸造酢か木酢液を利用する。
そのほかに、米ぬか、焼酎、トウガラシ、砂糖、レモンなど、家庭にある食品や自然素材を利用し、これらを組み合わせて、野菜づくりに役立てる。
お酢のすごい効能!4つのポイント
*土壌環境の改善
・野菜を育てる微生物が増殖する
・土の団粒化を促進する
・野菜のミネラル吸収を助ける
*野菜の活力アップ
・弱り気味の野菜が元気を回復する
・メタボ野菜のダイエット効果
・根が丈夫にグングン伸びる
*畑の生物多様性が増す
・微生物の繁殖が促される
・天敵を畑に呼び込む効果がある
・病虫害の出にくい畑になる
*病気・害虫を防除
・アブラムシやハダニが減る
・うどんこ病や灰色カビ病が減る
・野菜を体の中から健康にする
お酢のパワーを最大限に引き出す方法
地上部にも土の中にも豊かな生物相をつくる!
野菜を健全に育てるには、土中も地上部も含めて、トータルに生物活性を高めて畑に自然の調和をつくりだす工夫が大事です。適度な日当たりと風通しのよさを確保すること、畝を立てて水はけと通気性のいい土壌環境を用意すること、単作よりも混植を取り入れること、雑草をほどほどに残すことや有機物マルチを利用することでも生物活性が高まります。
下の写真は、ナスとツルなしインゲンを混植した畝の様子です。通路には刈り草を敷いてあります。このような工夫をすると、ナスを単体で育てるよりも生育がよくなり、害虫や病気が出にくくなります。
さらに、堆肥や肥料の与えすぎにも注意します。窒素過多は土中の微生物相のバランスを崩し、病虫害が出やすくなるからです。野菜自体も病気体質になります。
こうしたことを基本にし、その上でお酢を利用してください。お酢のパワーが最大限に発揮されます。
お酢、木酢液、米ぬか、焼酎、砂糖などを利用すると、土と野菜と生き物がコラボする自然の好循環を手助けすることができる。健全な野菜が育つ畑づくりを心掛けよう。