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私たちが“畑の先輩”から教わったこと 覚えておきたい金の言葉

私たちが“畑の先輩”から教わったこと 覚えておきたい金の言葉

野菜づくりにまつわる格言や言い伝えがたくさんあります。言葉の中には、おいしい野菜をつくるための知恵や秘訣が込められています。澤田 光さんと三並清継さん。ふたりの菜園家がかつて畑の先輩たちから教わり、今でも大事にしている“金の言葉”を紹介します。

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「畑の周りにはニラとネギを植える。」

伝える人
澤田 光さん/埼玉県/菜園歴13年


澤田 光さん
さわだひかる●菜園歴13年。埼玉県在住。200m2の貸し農園で、自家採種をしながら野菜づくりを楽しむ。食卓にのぼる野菜の大半は畑で育てたもの。畑や庭でイチジクやレモン、ブルーベリーなどの果樹も栽培している。

13年ほど前、貸し農園を借りて野菜づくりを始めたばかりの頃、モグラにトンネルを掘られて困っていました。
この言葉は、その時に農園の先輩がモグラ対策として教えてくれたものです。これがきっかけで、私は畑の周りにニラとネギを植えるようになりました。残念ながらモグラへの効果は思ったほど感じられませんでしたが、植えてよかったと思うことがたくさんあります。

私の畑は傾斜地にあって段差があり、その段差の肩のあたりに、ニラを1列植えています。根をしっかり張るニラは、土が崩れるのを防いでくれます。ニラは昔から、傾斜畑の「土留め」としてよく利用されているようです。
ニラがふんだんにあるので、ナスやトマトのコンパニオンプランツには不自由しません。ニラを株ごと間引き、ばらして根鉢に添えて植えて病気予防に役立てています。

この間引き作業は結果として株分け作業になり、こうして私の畑ではニラをずっとつくり回しています。食べておいしく、夏には白いきれいな花が咲きます。つぼみを切り採り、油で炒めて塩で味付けするとこれがおいしいのです。

ネギは、分げつタイプの「坊主知らず」を植えました。5~6本に分げつしたら株ごと掘り上げて収穫し、そのうちの1本を残しておきます。この1本がまた太く育って再び分げつするので、ネギもずっと育て続けています。
並んだネギの中から3本ほど抜き、その空いた所にピーマンの苗を植えると、ピーマンの育ちがとてもよく、たくさんの実を収穫できます。

ニラもネギもほぼ無肥料で、年に1度、苦土石灰をパラパラとまく程度の世話で済みます。

大きな野菜ではありませんから、畑の区分けとして境目に並べても周囲に迷惑がかかりません。

ネギとニラは私の畑を守り、あれこれと重宝する野菜です。13年前にモグラ対策として教わった言葉でしたが、気がつけばずっとネギとニラの恩恵を受けています。

分げつネギを育てる愛知県の読者の畑。畑の縁にネギを植え、斜面の土が流れないよう工夫している例。

「スギナは土を肥やす。」

伝える人
三並清継さん/愛媛県/菜園歴21年


三並 清継さん
みなみきよつぐ●菜園歴21年。愛媛県在住。約1000m2の畑で、有機・無農薬で野菜を栽培している。光合成細菌やマイエンザなどの微生物資材、緑肥作物のエンバクなどを活用し、最小限の肥料でおいしい野菜づくりを行っている。

スギナは4月~5月に生え始める多年草で、いくら取ってもはびこるため、やっかいものとして嫌われる雑草です。
ですが、この地域で昔から長く野菜づくりをされている方々が「スギナは土を肥やす。あんまりスギナとケンカしたらいかんよ」と言うのを、私は何度か聞いた覚えがあります。

じつは私も、家庭菜園を始めた頃はスギナをせっせと駆除するひとりでした。化学肥料を使っていたため土は酸性に傾き、調整のために石灰資材を投入。土がかたく締まるので、作付けのたびに耕うん機をかけていました。
こうした畑ではスギナが生えやすいと知り、家庭菜園で除草剤まで使って野菜づくりをするのはばからしいという思いもあって、有機栽培に転換したのです。

有機栽培3年目頃から、土がふかふかとやわらかくなり、土壌酸度は弱酸性で安定し、石灰資材に頼らなくてもよくなりました。スギナの勢いは収まり、その代わりに多種類のやわらかい草も生えるようになりました。
今でもスギナは畑のあちこちで生えてきますが、もう目の敵にはしていません。むしろ、地中深くからケイ素をはじめ豊富なミネラルを吸い上げ、土づくりに大いに貢献する味方だと思っています。地中深くまで根を張り、土を耕してもくれています。

「スギナは土を肥やす」という言葉の意味を、有機栽培があらためて教えてくれました。
スギナの利用法はいくつもあります。刈ったスギナを草マルチに使うほか、スギナ茶にして飲むこともあります。

液肥づくりにも利用しています。鍋にスギナをたっぷり入れ、ひたひたの水からとろ火で2~3時間煮詰めてつくります。これをこし、水で300~500倍に薄めたものが、野菜のうどんこ病予防に役立ちます。ただ、この液肥はとてもくさいのが難点です。光合成細菌、マイエンザを少し垂らしてみたところ、においが気にならなくなりました。

三並さんは、有機質肥料の量を年々減らしながら、畑の草や緑肥作物を活かした野菜づくりを行っている。

ソラマメのそばでエンバクを栽培。「どちらも2m近く伸び、ソラマメにアブラムシがつきません」と三並さん。エンバクの株元を見ると、スギナがちらほら。

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