十種雲形は雲の魅力の扉を開くために欠かせない重要なキーワード
対流圏内にできるすべての雲は、巻雲、巻積雲、巻層雲、高積雲、高層雲、乱層雲、層積雲、層雲、積雲、積乱雲の10種類のどれかに当てはめることができます。
この10種類の雲形を「十種雲形」といい、それぞれの雲形ごとに、ある程度共通する特徴(発生する高度、雲の形状、性質など)があります。
十種雲形は雲分類の要であり、雲の魅力の扉を開くために欠かせない重要なキーワードとなっています。
魅力の幅を広げるツールと「細分類」!
そして、魅力の幅を広げるツールとしてぜひ活用したいのが細分類です。細分類はどちらかといえばオプションのような位置づけではあるものの、個々の雲形に現れる細かい特徴をしっかり捉えています。
これをうまく活用することで、雲を見るときの視野が飛躍的に拡大し、より充実した観察ができるようになります。
また、こまめに雲を眺めて観察眼を培っていくことで、雲の特性や出現条件を見極められるようになり、本書の「出会える度」Dに相当するような「レア雲」と遭遇できる確率も上がっていきます。
雲の表情は無限大であり、現行の雲分類も、あくまで人間が便宜上に線を引いたものに過ぎません。
そのため、雲の観察を続けていると、分類の枠に当てはめるのが難しいような個性の強い雲に出会うこともあります。
このような個性的な雲であっても、一応、十種雲形のどれかには当てはまるのですが、分類やメカニズムについて考え、あれこれ調べる過程もまた楽しいものです。