大胆に透かすのが「大透かし」、枝先を中心に細かく透かすのが「小透かし」、その中間が「中透かし」。樹木の種類や必要に応じて、どの程度まで透かすのかを選ぼう。
【剪定前】放任して、枝葉が混んでいる状態
【小透かし(こすかし)】樹形にあまり影響しない剪定。枝の更新と考えるとよい
【中透かし(なかすかし)】剪定の対象は側枝が中心となる
【大透かし(おおすかし)】樹形に大きく影響する、大胆な剪定。主枝を付け根から切り落とすことも含まれる
■透かし剪定の考え方
「大透かし」などの程度は、あくまでも目安で、厳密な区分はありません。剪定の専門家に依頼するときに、イメージを伝えるために覚えておくと便利です。
大透かしは樹形を大きく変えることになるので、行う前にしっかりと剪定後の姿を思い描いておきましょう。「大透かし→中透かし→小透かし」の順で行えば、より少ない手間で仕上げることができます。
■剪定に関する言葉
剪定は古くから行われてきた作業ですが、国内でとくに剪定の技術が重要視されるようになったのは明治時代からといわれています。
技術として完全に体系化されているわけではなく、同じ作業でも、別の言葉が使われることもあります。
たとえば、こちらでは「透かし剪定」として紹介していますが、これは「枝透かし」ともいいます。
また、「野透かし」という言葉もあり、これは「枝先をあまり切らないように意識しながら枝数を減らし、できるだけ自然に近い形で仕上げること」を指します。
刈り込み剪定
ここでいう「刈り込み剪定」とは、刈り込みバサミを使った剪定のことです。枝をまとめて切ることができるので、ひとつひとつの枝を順に切っていくよりも少ない手間、短い時間で仕上げることができるのがメリット。
萌芽力が強く、枝をよく伸ばす樹木に向いている剪定方法です。
*刈り込みバサミの使い方
刈り込みバサミは使いやすい大きさのものを選ぶ。持つ位置を工夫すると疲れにくくなる。
【持つ位置】ハサミ側と柄側の重さのバランスがとれる位置で持つと、より疲れにくく作業できる
【刃の動かし方】一方の刃を固定して、もう一方だけを動かす。右利きなら、右手で刃を動かしたほうが作業しやすい
【切る位置が腰より上】刃が地面に向かって反るように持つ