教えてくれるベテラン菜園家
あんどうひさよ●菜園歴41年。兵庫県神戸市で、有機・無農薬で野菜を栽培している有機農家。レストランやホテルに頼まれて珍しい野菜も育てる。
もろようこ●菜園歴27年。滋賀県蒲生郡にある畑で有機・無農薬の野菜づくりを楽しんでいる。育苗箱を利用して土を盛り上げた高畝「上げ床畝」を考案して、野菜を栽培中。
しもぞのちとせ●菜園歴17年。長野県小川村に移住後、有機・無農薬で野菜を栽培。米やダイズ、ムギも栽培している。
つぼうちひろし●埼玉県秩父市のイタリアンレストラン「cucina salve(クチーナ・サルヴェ)」のオーナーシェフ。100アールの農園で、自家採種のタネから育てた150品種の無農薬野菜、ハーブ、穀物でレストランの食材をまかなっている。
やまもとみつあき●菜園歴15年。兵庫県西宮市にある2か所の畑で有機・無農薬の野菜づくりを楽しんでいる。
基本情報
■寒さに強い
■育てるのが簡単
■鮮やかな色がきれい
■栄養価が高い
◆栄養価が高いスーパーフード、別名は「食べる輸血」
ビートとも呼ばれるビーツ。砂糖の原料である「テンサイ(サトウダイコン)」の仲間で、胚軸に糖分をため込むので甘味があります。見た目はカブに似ていますが、ホウレンソウと同じヒユ科です。
日本ではそれほどなじみがない野菜ですが、ヨーロッパでは健康野菜として知られ、よく食べられています。ほかの野菜にはない栄養素を多く含むスーパーフードです。
血をつくり出す成分のひとつである葉酸や人間の体に欠かせないカリウム、腸内環境を整える食物繊維なども豊富で「食べる輸血」ともいわれます。
◆直根をぐんと伸ばしうず巻きに糖を蓄える
ビーツはホウレンソウのように吸肥力が強いので、しっかり元肥を入れた畑で育てると、胚軸から太く長い根が地中深くまで伸びていきます。そうすると胚軸の太りがよくなり、糖分を蓄えて甘くておいしいビーツに育ちます。
中間地や暖地では春と秋の年2回育てられます。春のビーツに比べ、秋から冬にかけて育てるビーツは寒さに当たり、糖度が高くなりよりおいしいものが採れます。
ビーツ好きのベテラン菜園家のみなさんに教えてもらった育て方と食べ方を試してみませんか。
◆断面はうず巻き
輪切りにした断面はうず巻き状になっている。色の濃い部分は養水分が行き来する維管束形成層で、薄い部分に糖分を蓄える。
◆直根が伸びる
吸肥力が高く、太く長い根を伸ばす。元肥をしっかり施しておくと、胚軸の太りがよくなり、糖分を多くため込み甘くなる。