はじめに
初心者の方でも扱いやすい耐水性の「アクリル絵の具」は、様々な面に装飾が可能で、乾いた面はとても丈夫なので、幅広い工作に利用されています。
その中でも人気の「トールペイント」は”ヨーロッパの伝統的な装飾技法を用いて、お好み素材に絵を描くこと”の総称です。描く材料として木材、布、ブリキ、ガラス、陶器などを使用することが多く、その装飾には「アクリル絵の具」と「油絵の具」がよく使用されます。
トールペイントに使用されるアクリル絵の具は、色の種類が豊富な上に、油絵の具に比べて乾きが早いところが、最大の利点ではないでしょうか。その豊かな色彩と筆遣いを使って、美しいデザインを描く事ができます。
この記事では、ぬくもりのレシピでも使用されている代表的な「アクリル絵の具」の紹介と共に、選りすぐりのおすすめハンドメイド作品も紹介しています!
『アクリル絵の具』の種類
アクリル絵の具とは、顔料とアクリル樹脂が混ざっている絵の具です。その種類やメーカーによって、透明度が違います。容器に透明、不透明の表記がされているものがありますので、使用用途に応じて選ぶ際は注意してください。
◆透明タイプ
速乾性が特に優れており、乾いてから重ね塗りをすると下の色が透けますので、深みのある表現をすることが可能です。
また、メディウムという補助絵の具を使用することで、絵の具のツヤや硬さ、乾燥のスピードを変えることができます。
◆不透明タイプ
透明タイプより、アクリル樹脂の量が少ないガッシュと言われる不透明タイプ。塗った時にムラが出にくいので、均一に塗りたい時に最適です。そのマットな仕上がりはプラモデルやフィギュアの塗装に重宝します。しかし、透明タイプに比べて耐久性が少し劣ります。
『アクリル絵の具』の特徴
乾燥後のアクリル絵の具の表面は非常に強く、経年劣化はほとんど見られません。しかし、完成した作品の傷や汚れを防ぐために「バーニッシュ」や「ニス」を塗る事があります。保護することで、画面を均一にツヤ出しでき、作品の完成度が上がります。
トールペイントに使用されるアクリル絵の具は、ボトルを置いたままにすると、定着剤と顔料が分離する可能性があるので、時間をおいて使用する際は、よく振ってから使い始めましょう。
トールペイント用『アクリル絵の具』
トールペイント用「アクリル絵の具」は他の絵の具に比べて薄めに作られているので、幅広い筆遣い(ストローク)で絵を表現する事が出来ます。
木・紙・キャンバス・ブリキ・プラスチック等のハード面に装飾ができ、顔料の濃度が薄い方が、筆遣いの自由度が高いので、初心者には向いています。また、濃度の濃い方は乾くスピードが速く、重ね塗りがしやすいという利点もあります。
乾燥後は耐水性になり、何度も重ね塗りが出来ます。盛り上げで使用する場合、完全に乾いていない状態では、絵の具が混ざってしまうので注意しましょう!
トールペイントにおすすめ『アクリル絵の具』
「トールペイント」に使われるアクリル絵の具で代表的なのが「アメリカーナ」と「セラムコート」です。どちらもトールペインターの方で「絵の具」といったら、この2つを想像するほど愛用されています。
どちらも混色は可能ですが、200色以上の色の種類があるので思い通りの色を選ぶことができます。この理由から2種類を併用されることもあります。混色の際はメーカー、種類の違うものは出来るだけ混ぜない方がよいでしょう。
アクリル絵の具の大きな特徴はその速乾性と耐水性です。
すべて耐水性のため、筆についた状態で放置すると固まりますので、使用後は道具を水でよくすすいで保管しましょう。
デコアート『アメリカーナ』
「アメリカーナ」はアメリカのデコアート社の製品で、トールペイントにおいて、とてもポピュラーな水性アクリル絵の具です。使いやすいワンタッチ式のスクイーズボトル入りです。
「アメリカーナ」は顔料の濃度が濃いので乾くのが早く、定着力があり、破膜力も優れています。そのため、重ね塗りがしやすく、作業時間の短縮が可能です。その理由から、こちらをご愛用するペインターの方も多いようです。
デルタ『セラムコート』
「セラムコート」もトールペイントで非常によく使用される、アメリカのデルタ社の水性アクリル絵の具です。
「アメリカーナ」に比べて顔料の濃度が薄いので、初心者でも扱い易い絵の具です。
筆の自由度が高いので、美しい曲線で色彩を表現するときに重宝します。こちらも高品質で発色もよく、優れた定着力を持っています。