<縦線あり>こんな風に縦に線が入っているものは、あとで裂けてくることがあるので注意!
本来は作る洋服のデザインを考えながら和服を選びたいところですが、ほどいて洗ってみてから、どのくらい使える場所があって何が作れるのかがわかる和服もあるので、まずは気に入った柄や素材感のものを選んで、ほどいて洗ってみるのがおすすめです。
*よくある質問
Q 思い出の和服なのですが、少し古くて弱っているかも…。シミもあるし、リメイクできないでしょうか?
A あまりおすすめできませんが、思い出がある和服なら、ひとまずほどいて洗ってみましょう。少しでも使える部分があれば、小物にしたり、柄の1つだけアップリケにしたりして残すことができるかもしれませんよ。
ほどくのは根気よく!
リメイクしたい和服を選んだら、次はほどく作業。大切なのは、慎重さと根気。ゆっくり丁寧に行うのが最大のポイントです。
長年生地と密着していた糸は、生地に食い込んだり糸の滑りが悪かったりすることがあるので、少しずつ丁寧にリッパーや糸切りバサミなどで切ってゆきましょう。
決して写真のように引っ張ったりしないこと!糸が切れずに生地は裂けてしまって台無しになることも。
また、和服には『かんぬき留め』といって、力がかかる部分に補強のために何度も縫い重なっているところがあるので、そこはより一層じっくりとほどきましょう。
<ゆっくり丁寧に>
<NG 引っ張らないで!>
ほどく順番は「仕立てた順の逆に…」と言われていて、衿から外していくのがおすすめですが、最終的に全部がバラバラにほどければいいので、あまり気にせずほどいてOK。
ただし、留袖など大きな柄が続いているもので、その柄をそのまま生かしたい、という場合は、その部分はほどかないでおきましょう。
<かんぬき留めのある位置>
<留袖など流れるような柄は、その部分はほどかず残す>
*よくある質問
Q ついうっかりハサミやリッパーで布を切ってしまった!
A あとでリメイクするときにその部分が避けられるよう目印を。しつけ糸などで周りに粗く縫い印をつけておくと、洗った後でも見つけられます。その部分を使わなければならないときは、洗った後に接着芯を貼って補強するといいでしょう。
しっかり洗って先に縮ませる
どんなにきれいに見える和服も、ホコリが付いていたり汚れていたりします。また、洋服にした後に洗濯したら縮んだ、ということがないよう、先に水洗いするのがおすすめです。
和服のリメイクを手がけている先生方に聞いてみたところ、だいたいどんな和服も水につけると少しは縮むようなので、ここでしっかり水につけて、縮ませておいてから洋服に仕立てる方が安心です。
色落ちが心配だったり縮むのがどうしてもイヤ…というものは、衿など小さい布で試し洗いを。そこで色落ちや縮みが起こり、洗いたくない、という和服は、洋服ではなくバッグなどの小物にリメイクするのがいいでしょう。