ゼンタングルとは
ゼンタングルとは、かんたんなパターンを繰り返し描くだけで誰でも美しいアートを楽しむことができるメソッドです。
年齢やアートの知識経験はまったく必要ありません。
呼吸を整え気持ちをリラックスさせ、心のままに描くうちにイメージができあがっていく工程を楽しみましょう。
始める前に
はじめてゼンタングルを描くとき、まず下記の3点を心にとめてください。鉛筆とペンを使って、紙(タイル)に自分で選んだ線やパターンを描くことだけに集中しましょう。
そして、いくつかかんたんな作品を完成させたら、次にシェーディングなどのテクニックを使って、作品を発展させていきましょう。
1 上下がない
完成したゼンタングルの美しさはどの方向からでも見られるもので、上下はありません。つまり、ゼンタングルはどこから描きはじめてもいいし、そのつど回転させながら描いてもいいのです。できあがりが一方向を向いているべきだという考えは捨ててください。
2 正解がない
仮に5人が同じパターンを描いたら、できあがりは5通り。必ずどこかが違っています。線ひとつとっても、直線で描く人もいれば、曲線や螺旋を描く人がいるかもしれません。同じセクション(区分)に分けた紙を準備しても、同じパターンを違う場所に描くかもしれないし、模様の大きさが違うかもしれません。この本に掲載されているパターンを利用しても、決して完全に同じ仕上がりにはなりません。むしろ、それがあなた自身のオリジナルパターンになるのです。
3 失敗がない
ゼンタングルは消しゴムや修正ペンを使わずに、ペンだけで仕上げます。なぜなら、ゼンタングルに「失敗」というものはないからです。もしパターンを描いている途中、「しまった!」と思うことがあっても、そこからまた新しいパターンを組み合わせていきます。人生において過去が消せないのと同様に、ゼンタングルも描いたものは消すことができません。そこから学び、経験し、新たにスタートすればよいのです。
必要な道具
ゼンタングルを描くのに必要なものは、紙と鉛筆、ペンだけです。どれも使いやすいものを選べばよいのですが、ここでは特におすすめのものを紹介します。
とりあえず必要! 基本の3つ
●鉛筆
HBの鉛筆。作品を修正しないように、消しゴムのついてないタイプを選びます。
●黒ペン
水性顔料インクでにじまず、なめらかな描き味のもの。0.3mm前後がおすすめ。
●紙(タイル)
目の細かいにじみにくい紙。水彩画用紙、ケント紙、レタリング用、カリグラフィー用の紙などがおすすめ。約9cm四方の正方形(タイル)の基本サイズに切って使いましょう。
鉛筆に慣れましょう。線を描くときは鉛筆を立てて、渦巻きやくねくねした線をたくさん描いてみましょう。濃い線を描く場合は強めに押してください。
次に、鉛筆の芯の側面を使い、前後に動かしてグレーを描いてみましょう。強弱をつけて濃淡を描いたり、グラデーションをつける練習をしてください。