はじめに
雨の日に大活躍する「防水生地」と「撥水生地」は、実は雨具用の生地としてだけではなく、テーブルクロスなどのインテリアや、バッグなど、幅広いアイテムに使うことができます。
そして防水生地・撥水生地を使用した作品は、水に対してはもちろん、汚れにも強く、手入れが簡単という魅力があります。
防水生地と撥水生地には違いがあり、特徴を知った上で使うことが大切です。この記事では、各長所や使い道について解説しています。さらにおすすめの商品や、防水生地・撥水生地を使った便利でおしゃれなハンドメイド作品も紹介しているので、ぜひご覧ください♪
防水生地・撥水生地とは
防水加工や撥水加工をされ、水に強い性質を持つ生地を、防水生地・撥水生地といいます。傘やレインコートなどの雨具からエコバックまで、身近なところでもよく使われていますね。
防水加工と撥水加工は、似ているようで、違いがあります。簡単に言うと「防水生地は水を通さない生地」、「撥水生地は水を弾く生地」でそれぞれ特徴が異なります。
防水生地の方が水に強いですが、デメリットや注意点もあり、使用するシーンに合わせて防水生地と撥水生地を使い分ける必要があります。
また防水生地も撥水生地も直接アイロンをかけることができないため、取り扱いには注意が必要です。
「防水生地」の特徴
■表面を塩化ビニルなどでコーティングした生地。
■防水加工されると生地そのものが防水性を持ち、水を通さなくなります。
■撥水生地よりも水に強いですが、空気も通しにくく蒸れやすいというデメリットがあります。
防水生地で有名なものと言えばラミネート生地です。次からは、ラミネート生地の特徴について見ていきましょう。
*ラミネート生地
布にポリ塩化ビニルを貼り付け、加工したものがラミネート生地です。水や汚れに強く、身近なところではポーチや赤ちゃんの食事用スタイなどに使われています。
一般的には生地の表だけラミネート加工されていますが、中には裏面までラミネート加工されて、より防水性に優れたものもあります。
便利なラミネート生地ですが、加工のために生地が滑りにくく、縫うのが難しいというデメリットもあります。一度縫ってしまうと跡が残ってしまい、縫い直しができない点も注意が必要です。
ハンドメイドでラミネート生地を使うときには、他の生地でミシンに慣れてからの方がいいかもしれません。洗濯機の使用もできませんので、汚れたときは拭き取ってお手入れするようにしてください。
「撥水生地」の特徴
■布の表面をフッ素やシリコンでコーティングして撥水加工した生地。
■水がかかると、玉状の大きな水滴になって弾く性質があります。
■生地の隙間まではコーティングされず空気が通るため、通気性の良さが魅力です。
■長時間濡れると隙間から水が浸透してしまうというデメリットもあります。
撥水生地の種類にはナイロンとポリエステルがあります。次からはナイロンとポリエステルについて詳しく見ていきましょう。
*ナイロン生地
ナイロンは石油を主原料とする化学繊維です。軽くて丈夫な性質を持つナイロンはレインコートやウインドブレーカーなどさまざまな用途に使われています。
薄手のものから厚手のものまで種類も豊富で、好みや作るものによって使い分けることができます。
*ポリエステル生地
ポリエステルはワイシャツなどの洋服にもよく使用される素材です。撥水加工をされたポリエステルは、レインコートや傘などの雨具によく使用されています。
ナイロンよりは耐久性はやや劣りますが、その分安価で気軽に使うことができます。
防水生地・撥水生地の選び方(ポイント・コツ)
防水生地・撥水生地を使ったハンドメイド作品を作る場合、生地を選ぶときには、種類と色や柄に注目して選ぶことをおすすめします。
*生地の種類で選ぶ
先述の通り、「撥水生地のナイロンやポリエステル」と「防水生地であるラミネート生地」には、メリットとデメリットがあります。
その点を十分理解した上で、
●通気性を重視したい=撥水生地
といったように、適した種類を選びましょう。
ナイロンとポリエステルは、撥水生地ではありますが、長時間濡れると水が染みてきます。そのため雨具等に使用する場合は、防水スプレーを使うのがおすすめです!